逆引き寄せの法則3～自信がついたらみんなバラバラになってさらにつらい件～ (ページ24)

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#3-24

職場復帰、すべきかなぁ。

神山「今更、複雑やんな。」
『そうなのさ。』

すっかり、行きつけとなったファミレス。
今日はパンケーキを頬張る神山さん。

神山「俺も複雑。」
『なんで？』
神山「俺としては、神戸第一銀行をギャフンと言わせて、晴れてAとゴールインの計画やったのに。こんなに靡かんとはな。」

ゴールインって、古っ。

神山「Aのこと、同志やって思ってん。考えてることが、結構同じでさ、同じ価値観を持っているなぁって。同じすぎて、頭ぶつけたこともあったけど。」
『あ。年末の大掃除。』
神山「そう。Aとなら、怖いと思ってた結婚、挑戦してみたいと思ったんよ。」

そう。
私は簡単には靡かない。

『考えなきゃいけない歳なのは分かっているけど、こんな私が幸せになれるビジョンが想像出来ないんよ。』

ごめん。ホンマにごめん。

『神山さん、言ったやん？好きの最上級形はなりたいやって。』
神山「うん。」
『結局、私って何になりたいんやろ？って考えてみたのね。するとさ、大毅先輩みたいなみんなを笑顔にする明るさとか、神山さんみたいに努力を惜しまない所とか、藤井くんの家族思いなとこ、社長の自分を犠牲にしてでも守る会社への愛情、親方の正社と契約分け隔て無く接してくれるとこ、のんちゃんの図太い態度。』
神山「のんちゃんは図太いなwww」
『それに、タカ兄の注目されることに躊躇しないところとか、横山さんの困ってる人を放っておけない優しさとか。みんなみんな、私には持ってないもの持ってて。なれるものならなりたいくらい。』
神山「それは俺やってそうや。」
『へ？』
神山「曲ったことが大嫌い。Aの魅力やで。」
『そうかな？』
神山「そうや。Aのアイデンティティやな。」

自分の良さって、人に言われてもピンと来ないもんだよね。

神山「けどさ、淳太にまた告られたんやろ？」
『ん。』
神山「また不正を成敗したから、逆引き寄せの法則が始まったんやない？」
『え？』
神山「今回は全国ニュースになったくらいやから、もっとモテるんちゃうか？知らんけど。」
『知らんのかい。』

他愛もない話で閉店間際まで話してた。
また、逆引き寄せか。
孤独の辛さを考えると、悪くないかもしれない。
いや、でも、はぐらかすのはダメだよ。
そうやって、またお母さんみたいになろうとするんだから。