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#3-21
睨み合う福本頭取と村上さん。
「誰や?お前。」
村上「まぁ、俺も子供やったし、覚えておらんのも無理ないわな。横山のおっさん。」
え?
なんて言った?
横山のおっさんって言ったよね?
『間違いなく言ったよね?』
崇裕「嘘やん・・・」
福本頭取は、お母さんの不倫相手、
そして私の実のお父さんということ。
村上「俺も仕事柄、ローンとか融資で関西中の銀行と付き合いがあるから、色んな噂聞くようになってな。ほんなら、まさか神戸第一銀行の闇とヨコとAの生い立ちに繋がるなんてな。」
ほな、始めるか。
と、村上劇場が始まる。
村上「事の発端はバブルの絶頂。おっさんが担当した先の融資が次々と焦げ付きだしたんや。」
焦げ付く?
村上「回収出来なくなったんや。」
なるほど。
村上「そこに救いの手を差し伸べたのは、福本勲。広海と大晴の祖父やな。金に目が眩んで、おっさんはヨコとおかんを捨てて、福本家に婿入りしたんや。」
うわ、最低。
ってか、ムコ殿なん!?
村上「けど、それが地獄の始まりやった。慎也は勲の奴 隷になった。救いの手なんて嘘で、金のためならヤクザに頭も下げたし、マグロ漁船にだって乗った。」
崇裕「えっぐ。」
村上「ある意味、失った負債を体で返したってことやな。お疲れさん。」
そして、ここから村上さんの目つきが変わる。
村上「そんな矢先、福本の嫁が不慮の事故で死んだ。すると、勲による役職の配置変更や出向が活発に行われた。嫁が死んだのは、勲への報復やって入れ知恵して福本家の婿養子と知る人物を遠ざけたんやろな。その間もなく勲も病死した。こうして、福本慎也は頭取の座に上り詰めたってわけやな。」
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作者名:るびぃ | 作成日時:2024年2月13日 17時