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第42話 君はシンデレラだ
智洋side
To:神山先生
CC:こうち
From:田中樹(STchannel)
お世話になってます!!
STの田中です。
先日は、貴重なお時間いただいてありがとうございました。
�眞呂砲魯泪犬粘脅佞任后�
今度のインタビューですが、代官山のスタジオで行うのはいかがでしょうか?
リンク貼っておきますね。
◇
智洋「うーん。この辺の土地勘ないから、地図見てもさっぱりなんよ。」
代官山を彷徨ってかれこれ30分以上。
目的のスタジオが全然わからん。
田中さん、どこぉ?
「っっ。」
ん?
目の前には、足を押さえてうずくまる女性が一人。
智洋「大丈夫ですか?」
「慣れない靴で挫いてしまって。」
リクルートスーツ姿。
脱げた靴はバンドが切れとるし、
かかとからは血が滲んで、とても痛そう。
智洋「就活?」
「はい。」
動きずらくて、転けてもうたんか。
「あの……」
智洋「ん?」
「今、何時ですか?面接が12時からなんです。」
智洋「今は……あ。11時45分や。」
「え!?………最悪。人生終わった。」
智洋「でも、あと15分もあるやん。」
「ギリギリ行ってもアウトですよ。」
智洋「会場どこ？タクシー拾ってでも行こうや。」
「STchannelって、テレビ番組の制作会社です。近くなんで歩いて行きます。」
ST……?
智洋「田中樹!!ちょっと待ってて。俺その会社に知ってる人おる!」
電話してみれば、田中さんはすぐに来てくれて、
あの子は無事に面接にも行けたし、
俺もインタビューのスタジオにたどり着けた。
田中「なんか、ドラマみたいな話でしたね。」
智洋「ホンマに。でも、足大丈夫やったんやろか?」
田中「連絡先、聞かなかったんすか?」
智洋「聞く暇なかったわ。」
ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……
田中「あ、すいません。12時のアラーム消すの忘れてた。」
ん?
12時のアラーム?
足を挫いて脱げた靴………
智洋「あっ………」
田中「先生、どうしました?」
智洋「あの子、シンデレラや。」
後日……
田中「はぁっ!?北斗、どういうことだ？あの子を落としただと!?」
松村「違うんだよ。森本Aさん。向こうから辞退してきてさ。なんか、お兄さんの事情とかなんとか。履歴書のコピーは取ってあるけど。原本は返しちゃった。」
田中「コピー、すぐ寄越せ。」
どうやら、
シンデレラと再会できるのは、まだ先のようです。
俺の物語はこれからも続くけど、あとはご自由に。
◇
神山智洋【プリンス・チャーミング】
おわり
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作者名：るびぃ | 作成日時：2023年1月22日 21時
