ワンス・アポン・ア・タイム～おとぎの森は西の町～シーズン8 (ページ39)

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第38話失っていたもの

小瀧side

小瀧「雨？」

雨のような金色の粒を手に取ると……

小瀧「うわ！光った！！」

光とともに腕の中はずっしり重くなっていき………

ｽｰｰｰｽｰｰｰ

小瀧「裕くん！！」

ぐっすり眠る我が子。

藤井「望！！」
小瀧「裕くんが、裕くんが帰ってきた！！」
重岡「こんな時でも、寝とんのか？誰に似たんやろな。」
小瀧「流星やな。」
藤井「俺ぇ？」

◇

中間side

街に平和が戻り、喜びに溢れる中、
私は素直に喜べないでいた。

中間「……とりあえず、違うとこ行こか。」

こくりと頷き、どうにか立ち上がる女王の肩を抱いて支える。
照史は空気を読んで声を掛けないでくれた。

ジュン「あんたもこういう経験したんやな。」
中間「まぁね。」

さて。
ゆっくり休ませるべきか。
いっそのこと、ヤケ酒させようか。
とにかく、怪しい占い師には会わせてはいけない。
もうおらんけど。

ムラコ「マユミ！！！」
濱田「どうしてこんなことに…….」
ジュン「濱ちゃん……」

もう一人の濱ちゃんに、揺れる瞳に無理もない。

ムラコ「女王陛下！！」
ジュン「貴女は？」
ムラコ「ムラコと言います。そっちは、夫の崇裕で。」

やめい。今は傷をえぐらんでやってくれ。

ジュン「ムラコ？お前、赤ん坊のマユミの母親か！」
ムラコ「！？そうです！！」
ジュン「良かった。遂に見つけた！」

心の靄が一気に晴れたような女王に、
濱ちゃんはこう尋ねた。

濱田「陛下。実はご相談がありまして。」

濱ちゃんの手のひらには、ケロケロと鳴く小さなカエルが一匹。

濱田「そちらの世界のマユミがここにおったのですが………」
ジュン「マユミとカエルに何か関係が？」
濱田「怪我の手当をしていたのですが、この通りカエルになってしまったのです。」
ムラコ「この子を元に戻す方法、何かご存知ないでしょうか？」

人間からカエルに？
心当たりが無い私には完全にお手上げ。

ジュン「お前、まさか！！」

すると、女王は濱ちゃんからカエルを受け取ると……

ジュン「探しておったぞ。カエルの王子。」

そっとカエルにキスをした。