ワンス・アポン・ア・タイム～おとぎの森は西の町～シーズン8 (ページ37)

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第36話救世主の末路

ハマダside

ヨココ「そんな………そんなまさか!」
ハマダ「ブルーフェアリーの言われた通り、俺は宝飾の目利きを磨いて質屋になった。俺にも母さんみたいに魔法を覚えるチャンスはあったよ。けど、やらなかった。魔法ほど、臆病なもんは無い。」
ヨココ「…」
ハマダ「真実が分かったなら、もうええやろ？己の得しか考えへん自分勝手なブラックフェアリー。これまでの罪、死んで償え。」

ﾄﾞｽｯ!!!!!

俺は目の前の母親の心臓を貫いた。

ヨココ「うっ…………」

魔法が解けたヨココは、みるみる老け込んで、
醜い老婆となり、そして砂となって消えた。

◇

中間side

ハマダ「地獄へ落ちろ。そして、俺もな。これが救世主の末路やから。」

質屋の濱ちゃんは、ヨココを刺した剣を自分の首筋に押し当てると…

ｻﾞｸｯ!

重岡「っっ!?」
中間「え」
ジュン「……………濱ちゃん!!」

自らを切った。

ジュン「なんで!?なんで濱ちゃんが!!」
ハマダ「これが俺の運命やから。誰にも止められない。」
ジュン「そんな……」
ハマダ「最期に、我儘言ってもええか?」
ジュン「もちろんや。何？」
ハマダ「俺にはマユミという息子がおる。ヤツに……手に職を……与えて…………ほしい。」
ジュン「約束する!!」
ハマダ「ずっと………見守ってくれて…………ありがとな。」

その言葉を最期に、質屋の濱ちゃんは息を引き取った。

◇

小瀧side

ムラコ「マユミ?マユミ!?」
濱田「死ぬなよ?もう少しや!」

濱田さんに抱えられたまま、
マユミくんが動かなくなった。

濱田「あれ?」
ムラコ「どないしたん?」
濱田「魔法が、出なくなった。」

濱田さんは上着の胸ポケットに手を入れると、

濱田「何でや!?短剣が、闇の短剣がぁ!!」

短剣は砂となってサラサラとマユミくんの胸元に落ちていった。

ムラコ「ほんなら、治せへんの!?」
濱田「おい。死ぬな。死ぬなよ。マユミ!!」

二人は必死にマユミくんを抱きしめた。

ﾎﾞﾝ!!!

すると、マユミくんから破裂音が鳴ると……

濱田「……わぁ!?なんやこれ?」

マユミくんの変わり果てた姿に私は言葉が出なかった。

ムラコ「何がどうしてこうなってもうたん?」

何もかも、めちゃくちゃや。
散らかり放題の物語。
終わり方がわからへん。

小瀧「あれ?これって。」

立ち上がると服のポケットに違和感を感じた。
それは入れっぱなしにしていた、とても大事なもの。

小瀧「とにかく、神山くんに報告や。」