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第31話 カエルの王子
マユミside
どこや……
どこや……
ヨココさんを殺すための、大事な大事な裁ち鋏……
「貴方が探しているのは、普通の裁ち鋏？それとも……」
背後からの声にゾッとする。
マユミ「……ヨココさん。」
ヨココ「逆らうなんて１００万年早いわ。」
ヨココさんの手には探してた裁ち鋏が光ってた。
フフッとヨココさんは笑うけど、
目はなんともおぞましい死神のようや。
ヨココ「雑魚ガエルめ。」
マユミ「うわっっっ！！！」
ヨココさんは手を振りあげた途端、
僕の身体は宙を浮くと勢いよく壁に叩きつけられた。
ﾊﾞﾝ!!!!
マユミ「ｳｯ……」
ヨココ「さぁ、さっさとカエルになりなさいよ！そしたら、いとも簡単に踏み潰してあげるわ。」
◇
小瀧side
大倉「先行ってて！」
小瀧「え？え？何で？」
大倉「閃いた！来い！」
ケンティ「え？俺も！？」
閃いたって何を？
聞く間もなく、西の魔女はフック船長を連れてどこかへと消えていった。
藤井「まさか逃げた？」
小瀧「かもな。」
きっと魔法が使えなくなって怖気付いたんやろう。
ロビンもまだ小さいし。
小瀧「………あれ？」
小さい……
子供……
赤ちゃん……？
藤井「ん？」
小瀧「裕くんは？」
藤井「裕くん？」
私らにも、まだ思い出せてないことがある。
小瀧「ヨココが鍵を握っとるはず。絶対取り戻すんや。」
ﾊﾞﾝ!!!!
藤井「んぇ！？」
追いかけた先に見えたのは、
さっきの男の子がヨココの魔法で壁に叩きつけられとった。
小瀧「大丈夫！？」
マユミ「ｳｯ………………」
藤井「お前！！」
ヨココ「これはこれは、白雪姫と王子。」
小瀧「ヨココ！子供相手に酷いやんか！！」
ヨココ「私を裏切るからよ。」
叩きつけられた衝撃で、思うように呼吸が出来ない男の子。
ヨココ「死ぬのは貴方よ。」
ヨココは金色に輝く鋏を男の子に向かって投げた。
小瀧「危ない！！」
私達は咄嗟に男の子を庇うように伏せた。
けど、背中に感じたのは刃物の痛みではなく、
灼熱の熱波やった。
藤井「熱っっ！！え………」
小瀧「なんや今の………うそ…………」
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作者名：るびぃ | 作成日時：2023年1月22日 21時
