#8-30 ページ31
第30話 濱田の嘘
中間side
中間「もったいぶんな。何が聞こえたんや?」
濱田「……キミタカの声。」
横山の?
濱田「すまん。淳太。俺、みんなが操られとったの、見て見ぬふりした。」
中間「え?濱ちゃん、ヨココに操られてへんの?」
濱田「すまん。」
お前、何で言ってくれへんかったん!?
濱田「……取り引きしたんや。」
中間「取り引き?」
濱田「ムラコには何もしないでくれと。けど、ヨココは………おかんはその約束を破った。分かってはいたけど、家族の幸せよりも己の得しか考えん、自己中心的で身勝手な女や。」
なんて……
けど、それと横山の声とは、何の関係が?
濱田「キミタカを悪用してるんや。」
重岡「裕くんを?」
濱田「ヨココの思惑はただ一つ。俺を大人にしたくない。それだけや。」
智洋「大人って、濱田さん充分大人やん。」
中間「なるほどな。子供と切り離して、濱ちゃんをヨココの操り人形にしようって訳か。」
あの女の思惑が分かったと思えば………
ムラコ「何やねん。この毒親が。胸糞悪いわ。」
照史によって再び救出されたムラコが、
顔を真っ赤にして憤っていた。
濱田「ムラコ!!」
ムラコ「崇裕!!」
濱田「無事か?」
ムラコ「もう、最悪や。マユミが攫われてもうた。」
中間「あ………その事なんやけど。」
私は、もう一つの世界線でのことを二人に打ち明けると………
濱田「おまっっ、何で連れて来んかったんや!!」
中間「私らだって、帽子の魔法が上手くいくと思わんかってんもん!!」
濱田「とか言うて、ちゃっかりロビンフッドをお持ち帰りしとるやんけ!!」
中間「こ、これはヨココに嵌められた時に……」
ムラコ「ええ加減にせぇよ崇裕!!」
怒鳴った先は、私ではなく濱ちゃんやった。
濱田「お、俺?」
ムラコ「そうや。女王たちも余裕が無かってん。仕方ないやろ?」
濱田「けどなぁ?」
ムラコ「落ち着いたら、その世界へ迎えに行こうや。あっちの女王に守ってくれてありがとうって言わな。な?」
遥かに精神年齢が大人なムラコに宥められると……
濱田「カッとなって悪いな。」
渋々謝る濱ちゃん。
すると、話を聞いとったしげが何かに気づいたようやった。
重岡「………マユミって、黒いフード被ったガキちゃうの?」
中間「黒いフードって、さっき窓から飛び降りた男の子?」
智洋「ヨココの付き人やんな?」
重岡「あの子の名前も、マユミや。」
男の子にしては、決して在り来りとは言えん名前の子が二人も?
濱田「向こうの世界のマユミか……」
31人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るびぃ | 作成日時:2023年1月22日 21時