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#8-21 ページ22

第21話 忘れ形見

中間side

腕の中で眠るロビンは、
呼吸も浅く真っ赤な顔でうなされとった。

大倉「せっかく守ったのに、あっくんの忘れ形見やのに…俺、また何もかも失ってまうんやろな。」

たとえ、犬猿の仲の姉妹とはいえ、
見殺しにする訳にはいかんやろ?

中間「ちょっと待ってて。」
大倉「は?何するん!?」

身体を擦るように魔法を掛ければ……

桐山「おお!!べっぴんな女王陛下や!!」
中間「こういう時こそ職権濫用や。」

ロビンを抱えて、医院に交渉すれば……

中間「薬、貰えた!!」
桐山「ナイス!」

城に戻った私たちは、ロビンに栄養満点のスープと薬を与えると……

大倉「熱、下がってきた。」

さっきよりも顔色が良く、泣く力を取り戻していった。

大倉「なんで?」
中間「何が?」
大倉「俺、あんたを殺そうとしたんやで?あんたの運命の人、寝取ったんやで?」
中間「子供に罪は無いやろ?それに、もう忘れたわ。」

忘れたというのは嘘やけど、
こんなに弱りきって、丸腰の大倉を今更憎むのは気が引けた。

大倉「……ありがと。」
中間「あ。一つだけ、仕返しさせてや。」
大倉「え?」

私はすっと立ち上がり、大倉の目の前に座り直すと……

チュッ

桐山「なっ、マリアンヌ!?まさか他の男とキスするなんて!!」
中間「照史が最後なのがムカつくから、上書きしてやったわ。」

これが私なりの仕返し。

大倉「最っ悪!!この唇おばけが!!」

キラッ

ケンティ「ん?なんか光った?」

すると、大倉の周りから何やら白い光が立ち込める。

小瀧「まさか!!」

あまりの眩しさに私たちは目を瞑った。
再び、目を開けると……

藤井「え!?」

目の前の大倉は、長い髪を二つに縛った、
本来の西の魔女の姿やった。

桐山「これも真実の愛?」
ケンティ「姉妹の絆ってか。」
桐山「姉妹?」
ケンティ「二人は血が繋がっているんや。」
桐山「そんな二人が、もう一人の俺を巡ってバチバチやったん?………俺、めちゃくちゃモテ男やん。」

ニヤつくな。

ジュン「それにしても、勝手に城の敷地を使うなんて。」
中間「しゃあないやん。治療するにも、ベッドが足らんて医者が嘆いとったんやから。まぁ、これでイメージアップにもなりまっせ。女王陛下。」

持ち上げれば満更でもない女王。

ジュン「あんたのおかげや。」
中間「どういたしまして。」
ケンティ「そういえば、その子の名前は?」
ジュン「濱ちゃん曰く、マユミって名前らしい。」
桐山「それって……」
藤井「ムラコさんの子。」

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作者名:るびぃ | 作成日時:2023年1月22日 21時

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