ワンス・アポン・ア・タイム～おとぎの森は西の町～シーズン8 (ページ3)

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第2話乗っ取られたストーリーブルック

重岡side

重岡「存在を認めてもらうこと……」

ここは精神科の病棟。
親は知らん。
小さい頃から、変わりモンって言われ続けて、
いつの間にかここにおる。
そんな気がする。

大西「町長、おはようございます！！」
横子「あら、おはようさん。」

今日も町長さんが、視察に来はった。
何を視察してるのか、俺は知らない。

重岡「………おはようございます。」
横子「みにくいアヒルの子？貴方、またこれ読んでるの？」

読んどったページをみた町長さんは、冷たく言い放った。

横子「貴方が白鳥な訳ないやろ？」
重岡「………そうっすね。」
横子「夢見るだけ無駄よ。」

そう言うと、本を取り上げた。

重岡「あっ………」

なんや、取られてはいけない気がして思いっきり手を伸ばすと………

ﾊﾟﾁﾝ

横子「痛っ！！」
大西「…どうしました？」
横子「重岡さんに殴られたわ。」
大西「なんてことを！？」
重岡「え………えっ………？」

殴りたくて殴ったんやない。
本を返してほしかっただけやのに……
気付けば、看護士さん達に取り押さえられてもうた。

横子「こんなもの、燃やしてしまいなさい！」
大西「僕らで処分しますよ。」
横子「アカン。お前自身で燃やして、灰になるのをこの目で見な、一生現実に向き合えん。」
重岡「……わかりました。」

絞り出た声で返事をすると、本を投げつけ帰って行った。

◇

智洋side

智洋「うわ。なんて怖い人なんや。」

病院から抜け出した俺は、
窓掃除用のゴンドラを使って耳をそばだてた。

リチャ「……何してん？」
智洋「ひっ！！り、リチャードさん。」
リチャ「仕事の邪魔や。かくれんぼなら他でやんな。」
智洋「すみません。」

またあの人に見つかったら、今度こそ入院させられる。

智洋「とにかく、晶哉はどうしてん？」

俺は真っ先に、シャーウッドへ向かうけど………

智洋「な、無い！？」

子供たちの活気に溢れていたシャーウッドは、
ただの更地になっとった。