ワンス・アポン・ア・タイム～おとぎの森は西の町～シーズン7 (ページ9)

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第8話悪い噂

丸山side

マルコ「これ………」

金の粒はまるで、俺を頼れと言っているようで……

マルコ「ルンペルシュテルツキン、ルンペルシュテルツキン、ルンペルシュテルツキン。」

名前を唱えると……

ルンペル「久しぶりやのぉ。お妃様。」
マルコ「お願いします！記憶を消したい人がおるの！！」
ルンペル「タダでとは言わんやろな？対価は？」
マルコ「……こ、国王の身体はどうや？」
ルンペル「まぁ、誰に使うかは聞かんといてやるわ。しかし、国王をダシにするなんて、妃もなかなかの悪やのぉ。」

すると、ルンペルシュテルツキンは、
私に小瓶を寄越した。
中身を一滴ずつスープに混ぜて飲ませば、
ここ数日出来事をクラコとジュンちゃんはもちろん、
トモヒロの記憶までもが、きれいさっぱり無くなっていた。

ジュン「あれ？私、ここで何してたんやろ？」

眠りから覚めたジュンは私に尋ねる。

マルコ「何って、私と食事してたやないの。食べながら寝るなんて、お転婆にも程があるわ。」
ジュン「申し訳ございません、母上。」
マルコ「気にすること無いわ。大人になるまでに治ればええのよ。」
ジュン「あれ？叔父上は？」
マルコ「先に寝たわ。だって、明日こそはお馬に乗せてもらうんでしょ？トモヒロ、張り切って準備しとったわよ。」

こうして私の心は平穏を取り戻した。
そして、魔法の対価となった国王は次第に弱っていき、
トモヒロとロビンフッドの反逆に全く抗えなかった。

◇

中間side

そんな……
俺らは一度会っていた。
けど、その事実を母上は消した。

小瀧「あんたって人は、ホンマに身勝手な妃やな。」

言葉に出来ない俺らに代わって、
唯一の他人であるのんちゃんが母上に冷たく言った。

丸山「けど、クラコにはどうしても言わなあかんことがあってつけて来たの。」
大倉「……言わなあかんこと？」
丸山「キクチ様の坊ちゃんが何かを企んどる。あの子は今や黄泉の世界を支配するハーデス。悪いことに違いないわ。」

キクチ様？
って確か……
叔父上が昔、世話になっとった公爵家の一人やったような………

大倉「何も知らんと、テキトーなこと言いよって。」
中間「え？」
丸山「クラコ！！」

話が済んだんならはよ帰れと、
クラコは町長室の奥へと消えて行った。