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第38話 自白
中間side
桐山「言わなアカンこと」
中間「俺の本当の姿のこと。」
桐山「男なのは気にしてへんで?」
中間「……実は、呪いで男に変わってん。」
嫌われてもいいと腹を括った俺は、
全てを照史に話した。
桐山「え………女王陛下?」
中間「やから、この世界にもう一人の自分がおるって知ってビックリした。」
桐山「ってことは、マリアンヌの世界線には俺もおったん?」
中間「おったよ。愛してた。………死んでもうたけどな。」
照史は意外にも、何一つ疑わず、
否定もせず俺の話を静かに聞いとった。
桐山「呪いは解けるん?」
中間「さぁな。1回だけ元に戻った時期もあったけど、すぐに男に逆戻りしてもうた。」
呪いを解くために必要なのは、真実の愛。
この呪いを最後に掛けたのはしげやから、
ケンティーと無事に結ばれれば解けるのかもな。
中間「そういう事やから。……行く宛て無いけど、出て行くなら早いうちがお互いの為や。」
立ち上がろうとしたら………
ガシッ
中間「照史?痛い。離して?」
腕をがっしり掴んで離してくれない照史。
桐山「大事なこと、話してくれてありがとう。俺さ、マリアンヌのこと、益々好きになった。」
中間「やから、これ以上は止めようって。」
桐山「独りで背負わんと、一緒に乗り越えようや。」
そういうところ、
俺の知ってる照史と同じや。
中間「なぁ?」
桐山「ん?」
中間「最後に名前、俺の本当の名前で呼んで?」
桐山「……ええの?」
中間「うん。」
桐山「ジュン様。」
中間「それ嫌や。ちゃんがええ。」
桐山「ジュンちゃん。」
中間「照史。好き。」
こうして俺は、ジュンの名前を捨てる決意をすると、
俺と照史の距離はゼロになった。
◇
桐山「マリアンヌ!マリアンヌ!!」
翌朝、ぐっすり眠っていたところを、叩き起された。
中間「なにぃ?どないしたん??」
桐山「何って、自分の身体見てみぃ!!」
毛布を剥ぎ取られ、ヒヤッとした身体を見てみると……
中間「え…………」
素っ裸の身体は……
桐山「これって、真実の愛やんな!」
昨夜よりふっくらした女性の身体やった。
それを見てニヤつく照史。
中間「なんや?」
桐山「やって………昨夜は男のマリアンヌを味わって、今日は女のマリアンヌを堪能出来るんやで?最高やん。」
ホンマに、この照史はゲスい。
桐山「もう、夜まで待てん!いただきまーす!!」
中間「ちょっ!おまっ!!……………」
俺にとっての心の処方箋は、
照史そのものやったのかもしれん。
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作者名:るびぃ | 作成日時:2022年9月22日 22時