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第37話 荒稼ぎの盗賊夫婦
中間side
「姉ちゃん、一緒に飲もうや。」
「姉ちゃん、べっぴんやのぉ。」
「ええ身体やなぁ。今夜一緒にどうや？」
髭面の盗賊から浴びせられるセクハラ発言。
中間「えぇ、いや……その……」
「ええやんけ。俺のドラゴンが火を吹くでぇ。」
俺、キレてもええか？
桐山「おいおい、とっつぁん。うちの嫁はんに何してんねん？」
企てたのは、女装した俺がオッサンを誘惑して、
持ち帰られそうになったとこに照史が現れて金を請求する俗に言う美人局。
桐山「金貨や！やっほーい！」
今日だけでも3件成功した。
シャーウッドの森に帰れば、報酬に大喜びの照史。
中間「でも、ずっとは続かんと思うで。俺らも手法を変えな。今日のこともすぐに噂になるやろうし。」
盗賊どもも、決してアホやない。
俺も俺で、やるからにはしっかり儲けたいと、
すっかり仕事に夢中になっていた。
中間「こうなったら、いっそ身体を売るしか……」
ｶﾞｼｬﾝ!!
中間「照史？」
振り向けば、目に涙を貯めた照史。
桐山「嫌や。」
中間「は？大金持ちになりたいんやろ？金儲けに多少のリスクがあるのはしゃあな…………！！」
気付けば、照史の腕の中。
中間「なぁ、俺、男やで。」
桐山「わかってる。けど、マリアンヌが他の男に良い顔振りまくの、ホンマは見てて辛かった。何でやろ？他の女なら1ミリもこんな気持ちにならんのにな。」
中間「お前なぁ……」
すると、照史から何かに気付いたような声が漏れた。
桐山「あっ………。」
中間「ん？」
桐山「俺さ、1回だけ妖精に会ったことあんねん。」
中間「妖精？」
一瞬、寝言でも言い始めたんか？と思ったけど……
桐山「緑色の光を放った妖精がな、俺に話して来てん。貴方の運命の人が、運命を受け入れてくれないって。」
緑の妖精って……
中間「ティンカーベル。あいつ。」
“身分なんて関係ない。それに、あの人はただの盗人ちゃうよ”
すごく昔、のんちゃんのお父上が死んで未亡人となった俺を気遣って、
運命の人とやらに無理やり会わせようとしたことがあった。
けど、女王という立場上、世間体を気にして会わなかったんや。
桐山「それって、マリアンヌのことなん？」
俺の頬に手を添え、今にもくっ付いてしまいそうな距離。
もしかすると、この照史こそが運命の人なのかもしれない。
けど、それなら尚更……
中間「もし、そうだとしたら、言わなアカンことがある。」
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作者名：るびぃ | 作成日時：2022年9月22日 22時
