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第10話 ケルベロスを手懐けろ
中間side
中間「そもそも、なんでクラコは俺らに着いてきてん?」
ずっと気になっていたクラコへの疑問をみんなに聞くと……
ムラコ「ごめんなぁ。私が悪いねん。」
口を開いたのはムラコやった。
ムラコ「崇裕がおらんなって探しとったんや。そしたら……」
ムラコが言うには、
アイツら、また危険なことをしようとしているって、
わざわざ迎えに来たらしい。
ほんで、店にあった掃除用の箒に跨ってみたら……
ムラコ「魔女の箒って凄いねんな!!めちゃくちゃ早くて、本で読んだフェラーリってこんなんなんかなぁーって。」
目を輝かせて話すムラコ。
魔法と無縁やからって、呑気なやつ。
濱田「やから、魔法って大事なんや。やっとわかったやろ?」
ムラコ「それとこれとは話が別や。」
同じ気がするけど、口は挟まんとこ。
重岡「着いたなぁ。」
ソウ「今度こそ……」
俺たちは再び、時計台に着いた。
残り時間はもう僅か。
ショーリ「本当に大丈夫なんですよね?」
末澤「知らん。」
智洋「え!?」
末澤「けど、やるしかないやろ?」
地下を降りれば、ショーリが倒れとった時と何も変わらない廊下と、
ガルルルルル
相変わらず敵意むき出しのケルベロスがおった。
末澤「さて、やろか。」
フゥっと深呼吸をする。
末澤「ケルちゃん、お手。」
桐山「そんな浅はかな………」
誰もがそんな簡単やないと思ってた。
ポン
ケンティ「わお。」
藤井「……マジで?」
末澤「ケルちゃん、ええ子やねぇ〜。」
クゥーーーーン
お手はもちろん、気づけば腹を見せてじゃれるケルベロス。
末澤「今のうち。早よ行きや?」
中間「………ありがとう。ホンマに助かった。」
末澤「トモヒロ、喜んでくれるかなぁ?」
智洋「絶対、喜んどるよ。」
こうして俺らは、ケルベロスの居場所の奥にある階段を駆け上がった。
◇
大倉side
急げ。
急げ!!
大倉「坊ちゃん!」
フウマ「クラコさん!やっぱり来てくれたんだ。」
大倉「今すぐこの世界から逃げよう!」
フウマ「逃げるって、どこに?」
大倉「ストーリーブルック。生きてさえいれば、なんとでもやり直せるやろ?」
俺らは無造作に転がってた箒に跨り、
三途の川へ向かった。
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作者名:るびぃ | 作成日時:2022年9月22日 22時