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第9話 二度目の呪い
中間side
リチャ「呪いが来る！！」
中間「なんやて！？」
29年前、俺が掛けた呪い。
どこかの誰かが再び掛けようとしとる。
佐野「…ジラコさん。」
中間「その人がどうしたん？」
晶哉がふと、この間声を掛けられたという人の名前を呟いた。
けど……
リチャ「時間がない！！呪いが目の前まで来とる！」
中間「……ﾊｯ!?智洋！！」
一度、呪いを掛けたことがある俺は、
大事なことに気付いてもうた。
中間「しげ！智洋とここから逃げろ！」
重岡「はぁ！？いきなりなんでや？」
中間「この呪いは、おとぎの森の人間たちにしか効かない。」
重岡「…それが？」
中間「すぐに、この町は跡形もなく消える。……智洋もな。」
重岡「え？」
中間「智洋は唯一、外の人間や。この呪いを受けたら消滅してまう。やから、今すぐストーリーブルックから出ろ！！」
俺は咄嗟に魔法を掛けた。
重岡「これ……」
中間「こんなんやったやろ？しげがここに来た時に乗ってた車。」
初めて会ったあの日、廃車になってもうたあの車。
中間「智洋、お別れや。」
智洋「え……」
中間「こんなパパでごめんな。でも、これが智洋を助ける唯一の道やねん。」
智洋「パパ……」
急に訪れた別れに心は張り裂けそうやけど、もう時間が無い。
中間「しげ、智洋を頼んだ。お前も元気でな。」
重岡「……おん。行くで、智洋。」
智洋「な、なぁ？お父さんは？」
智洋は横山の方を見る。
横山「…ごめん。行けない。親父の亡骸から離れる訳にはいかへん。」
智洋「そんな……」
横山「せっかく会えたのにごめんな。エマのこと、頼む。お前しかおらんねん。」
重岡「………裕くん。」
横山「しげ……最近、避けとるの気付いてた。でも、俺はお前と…エマとやり直したかった。」
重岡「裕くん、やめてや………時間が無いねん……。」
横山「悪い。…智洋、くれぐれも消えるなよ。」
ﾌﾞｫｫｫｫﾝ
エンジン音が響く。
智洋「お父さん！パパ！先生！！流星！！！」
重岡「行くで。」
しげの車が動き出すと、猛スピードで町の外へ走り去っていった。
きっと、二人がストーリーブルックを脱出する頃には、
ここでの記憶は消えてしまうやろう。
俺は車の中に、新しい記憶を埋め込んでおいた。
俺達を思い出して悲しくならないように。
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作者名：るびぃ | 作成日時：2021年11月22日 4時
