番外編�� ページ49
#4 鏡と毒リンゴ
中間side
いけずだらけの晩餐会は国の内外で噂となり、
城下町では私を鬼と模した風刺画がバカ売れする、
何とも腹立たしい日々が続いとった。
中間「ルンペルシュテルツキン、ルンペルシュテルツキン、ルンペルシュテルツキン！」
その頃やった。
母上が残した呪文の本で濱ちゃんを召喚したのは。
濱田「あーあ、べっぴんさんが台無しやで。」
そう言って、私に鏡を寄越してきた。
中間「鏡なんて、城中腐るほどあるぞ。」
濱田「これはただの鏡ちゃうで。ほら、鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰や？」
“それは、女王陛下でございます。”
中間「喋った!!!」
気を良くした私は、ノゾムへのいけずを実行しては、
鏡に声をかけ、どんなに酷いことをしても私は美しいと、承認欲求を満たしていた。
ところが……
“世界で一番美しいのは、白雪姫でございます。”
ある日、満たされとったものが全て崩れていった。
中間「この役立たず!!!!!」
ﾊﾞﾘｰｰｰｰｰﾝ!!!!!
粉々に割れて、破片が飛び散った鏡。
いつの日か、私をワンダーランドへ追いやったトラウマを思い出させた。
中間「嫌、やめて！……助けて！！………アキト！！！」
意識を手放しかけたところで、フワッと誰かに抱き寄せられた気がした。
中間「………アキト？」
濱田「悪いな、俺で。」
中間「ルンペル……。」
そして、私にある物を差し出した。
濱田「そんなに白雪姫が憎いなら、消えて貰えばええんちゃう？」
そのある物は、真っ赤なリンゴやった。
リンゴは、ノゾムの大好物。
濱田「今はまだ、ただのリンゴや。これをどうするかは陛下次第。」
中間「……殺したい。」
私は、このリンゴに毒を塗り込んだ。
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作者名：るびぃ | 作成日時：2021年11月22日 4時
