ワンス・アポン・ア・タイム～おとぎの森は西の町～シーズン4 (ページ5)

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第4話パンドラの箱の始末

西畑side

智洋の身体を乗っ取って1週間が過ぎたけど、気付いたのは晶哉だけ。

智洋(西畑)「それに、ええ話も聞けた。」

ジラコというババアに呪いの存在を教わるまで、
まずはパンドラの箱を壊すのが先やと思っとったけど、
別に本物の智洋は魔法なんか持ってないし、
自力で出られるもんちゃうから、
あの中で飼い殺しもおもろいなと思うようになった。

でも、あのジラコ……
たぶん大倉くんや。

“お前もおとぎの森の人間なんだろ?”

フックの言葉は、あながち間違いではなさそう。
隠しきれていない首の緑色のアザで勘づいた。

智洋(西畑)「晶哉と遊んでくる。」
重岡「おん、わかった。あんま遅くなんなや?」

さて、宝探しを始めるとするか。

◇

重岡side

なんやろ？
なんて言ったらええんやろ？
何かが変でモヤモヤする。
昼飯、脂っこかったから？
いや、胃腸の違和感とはちゃうな。
じゃあ、何?

重岡「何か変なんです。」
安田「うーん……内科の検査では正常なんよな。」

どうして良いのか分からなくて、俺は安田先生に相談した。

安田「あとは、僕の専門分野しかないかぁ…」

それは、精神科。
心の病気を疑った。

安田「ネバーランドはどうやったん?」
重岡「ただ、ひたすら虚しくなるだけやった。」
安田「横山さんと疎遠になっとるみたいやね?」

岩に向かって裕くんに秘め事を打ち明けた時から、
裕くんを避ける日々が続いとった。

重岡「今は、なるべく重岡でいようと思ってます。」
安田「負担になってるようにしか見えへんけど?」
重岡「ええんです。」

エマでおると大好きな裕くんを思い出してまうから、
なるべく自分の事は俺と呼んで、重岡大毅でいようとしていた。

安田「そういえば智洋くん、変わったなぁ。」

辛そうな俺を見兼ねて、話を変えた。

重岡「やっぱりそう見えますよね?」
安田「ネバーランドが相当大冒険やったんやろな？すごく大人びたなぁ。」
重岡「ホンマにそう。まるで別人みたいで、嫌いやった牛乳も克服したんですよ。」
安田「…嘘やん。」

やっぱりみんなそう思うよな。

安田「それさ、ホンマに智洋くん?」
重岡「どういう意味すか?」
安田「まんまの意味。」

安田先生のその言葉に何かがストンと落ちた気がした。

重岡「先生…それや。俺の中にあったモヤモヤの正体。」
安田「え?………え?」
重岡「智洋、もしかしたら智洋ちゃうのかもしれん。」

そうなれば、俺が行くべき場所はここしかない。