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第34話 闇から光へ
ジュンside
ジュン「寂しかったんか？」
クラコ「奉公に出されて貧乏暇なしやったわ。」
ﾍｸｼｭﾝ!
赤ちゃんのくしゃみが響く。
クラコ「あらあら、煙にむせてもうたんか?ごめんなぁ。」
ｵｷﾞｬｰ……
赤ちゃんは辛そうに泣き喚く。
ジュン「今お前がやってる事は、ただの誘拐や!」
ﾄﾞﾝ!
魔法が効かない焦れったさで、俺は思いっきり床を蹴った。
すると…
ﾎﾞｫｫｫ!!
床を伝う一本の青白い火柱。
クラコ「……熱っ!」
重岡「ｹﾞﾎｯ、淳太!?」
濱田「闇が光に変わった!?」
効いた。
俺の魔法が効いた。
クラコ「あ!!」
足元に火傷を食らった西の魔女は、
足首を捻ってよろめいた。
重岡「赤ちゃん!」
危機を感じたしげが咄嗟に起き上がり、
西の魔女に抱かれた赤ちゃんを奪い取った。
ジュン「よっしゃ!」
重岡「淳太。淳太がのんちゃんに返しえあげてや?」
抱えてた赤ちゃんを俺に渡すしげ。
重岡「のんちゃんのことや。淳太に抱っこしてほしいはずやで。」
煙たさで泣いた涙の筋を、そっと拭ってあげた。
クラコ「…ﾌﾝ。甘いな。」
未だに余裕の顔する西の魔女。
クラコ「別に必要な物は揃ったし。」
そう言うと、床に描かれた魔法陣に右手を当てた。
ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ!!
轟音と地鳴りが響く。
ジュン「この音、まさか!」
クラコ「ポータルが開いたようやな。赤ん坊の涙さえあればええねん。」
そんな、まさか!?
クラコ「赤ん坊は白雪姫に返すわ。じゃあな、中間淳太。お前の居らん人生をやり直したる。」
ジュン「行かせへん!」
俺は再び、西の魔女目掛けて火炎を放った。
クラコ「うわっ!熱っ!」
ジュン「今や!取り抑えろ!」
俺の号令に町の男達は、こぞって西の魔女を取り押さえた。
クラコ「離せ!」
濱田「返してもらおうか？俺の短剣を。」
�陲舛磴鵑魯戰襯箸飽�っ掛けられていた短剣を引き抜いた。
クラコ「お前、相変わらず短剣に執着しとるな。」
濱田「当たり前やんけ。魔法は力や。」
観念した西の魔女を連行しようと立ち上がらせた瞬間…
ﾄﾞﾝ
西の魔女は、近くにおったしげを蹴り飛ばした。
重岡「え………」
ジュン「しげ!?」
その先あるのは、開いたままのポータル。
ケンティ「やばい!飲み込まれる!!」
事態に気づいたフック船長が、しげの腕を掴んだが……
ケンティ「だめだ!ポータルの力が強過ぎる!」
力尽きたフック船長としげを飲み込んだポータルは、光を失い閉ざされてもうた。
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作者名：るびぃ | 作成日時：2021年11月22日 4時
