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第32話 誰にも見つからない場所
ジュンside
ジュン「……なんでや。なんで居らんねん。」
見つけられない自分の無力さに腹が立つ。
rrrrr…………
突然、しげのスマホに着信が入る。
重岡「ケンティー?」
電話の主はフック船長やった。
ケンティ「墓地の奥!赤ん坊を抱えた女が入って行った!!」
重岡「墓地?」
ジュン「あっ!!」
誰にも見つからない場所………
ジュン「母上の霊廟。」
重岡「……マルコの??」
ジュン「……一度現れた時言われたんや。アイツ、母上の娘やって。」
重岡「はぁ!?それってお前ら、姉妹ってこと!?」
ジュン「俺も信じられへん。母上、俺にまで秘密にしてたんや。」
重岡「行こう!赤ちゃんを助けな!」
◇
クラコside
クラコ「今日はパンを焼き、明日はビールを作った♪そしたら今度は白雪姫の赤ん坊を戴くよ♪俺の名前はルンペルシュテルツキン♪……ホンマに変な歌やな。」
取り上げた赤ん坊を片手で抱えながら、
ルンペルシュティルツキンの短剣で魔法陣を描く。
円の周りに金塊、指輪、剣を並べ、
その中央に赤ん坊を置けば完成する。
クラコ「いよいよや。」
これで過去に遡る事ができる。
中間淳太のいない人生が。
ピカッッッ!!!
クラコ「…なんや?」
重岡「赤ちゃんを返せ!!」
振り向けば救世主の姿。
光の魔法使い……グリンダ登場ってか?
ジュン「血の魔法は解いたった。これで誰でも入れる。」
そう言うと二人の後ろから、
ぞろぞろと町の奴らが霊廟に踏み入れてきた。
ケンティ「西の魔女、覚悟しろ!」
リチャ「白雪姫の赤ちゃんを返せ!」
んなこと言っとるけど、
アタシにとっちゃ雑魚ばっか。
クラコ「アンタらの相手はコイツだよ。」
短剣を突き上げて唱えた。
クラコ「ルンペルシュティルツキン。ルンペルシュティルツキン。ルンペルシュティルツキン。」
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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年11月22日 4時