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#4-30 ページ31

第30話 私に力を分けて

重岡side

重岡「裕くん、俺頑張るから。」

俺は気合い入れに裕くんの亡骸にキスをした。

重岡「淳太と戦う。赤ちゃんは渡さへん。」
濱田「……何言うてんねん?淳太は悪役やぞ。」

真っ青な顔して横たわる濱田は、
光の魔法と闇の魔法の違いを知っとった。

重岡「でもな。今の淳太……ホンマに悪役か?」
濱田「は?」
ムラコ「確かに。」
濱田「…信ちゃんまで。極悪女王に酷い目にあっとったやないか。」
ムラコ「過去はそうやったよ。でも…淳太変わったと思う。人の善し悪しなんて、本人の努力次第やろ?その努力によっては、魔法が光か闇かも変われるんちゃうか?」



ジュンside

ジュン「のんちゃんが産気づいた!?すぐ行く!」

しげからの電話に慌てて役場を出ようとすると……

桐山「町長!」

照史と鉢合わせした。

ジュン「悪い。今から病院行かなあかんねん。」
桐山「じゃあ、送ります!その様子、一大事なんやろ?」

そう言って、俺の腕を引くと駐車場に停められとった……

ジュン「え?バイク??」
桐山「急ぐで。ほれ、ヘルメットしてな。」


ブオオオオオン


太いマフラーから響くエンジン音。
恥ずかしいと思いながらも満更でもなくて、
照史の大きな背中にしがみついとると、
あっという間に病院に到着した。

重岡「淳太!!」

しげの声に夢心地から一気に現実に引き戻される。

重岡「大変や!のんちゃんの担当医が西の魔女やった。赤ちゃんを攫う気や!!」
ジュン「嘘やろ……?」


霊廟に現れ、俺の姉と名乗って指輪を盗んだあの魔女。
俺を恨み、照史との仲を引き裂くためにマリアちゃんを襲った上、今度はのんちゃんの赤ちゃんを奪おうとしとるのか。


重岡「行こう!一緒に戦おう!!」
ジュン「…でも、闇の魔法は通用せん。」
重岡「今の淳太は、もう悪役ちゃうやん。」


握り締めて爪が食い込む拳に、
そっと照史の手が重なる。


ジュン「照史……」
桐山「ジュンちゃんなら勝てるよ。俺はそう信じとる。」


照史の言葉に心がじんわり温かくなった。


ジュン「照史、私に力を分けて。」
桐山「力?俺は魔法なんて………ん!?」


強くなれるおまじないと、俺は照史の唇を奪った。


桐山「えっ!?ジュンちゃん……?」
ジュン「照史のこと、嫌いになったことなんて一度も無い。今もな、めっちゃ愛しとんねん。」
重岡「フハッ。淳太の真実の愛やな。」
ジュン「西の魔女、必ずとっ捕まえて豚箱にぶち込んだる。」


俺たちは分娩室へ急いだ。

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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年11月22日 4時

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