ワンス・アポン・ア・タイム～おとぎの森は西の町～シーズン4 (ページ28)

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第27話焼き印の正体

ムラコside

重岡くん林道で裕くんが見つかりました。でも、最初は濱田やと思って近付いてみたら、裕くんに変わってもうた。それと、手のひらに菓子屋の焼き印みたいな火傷してた。村上さんの図書館に関係する資料あるか調べてほしい。

ムラコ「崇裕がヨコに変わった?なんやそれ?」

重岡くんが送ってくれたヨコの手の画像。
図書館で黙々と調べとったら…

ムラコ「え…」

慌てて重岡くんに電話を掛けた。
重岡くんはどこかの菓子屋の焼き印って言っとったけど、これはどうやら墓地の鍵らしい。
そして、この焼き印があるということは……

ムラコ「ヨコは、もう死んどる。」

◇

ケンティーside

重岡「なぁ、村上さん。さっきのどういう事?」

村上も駆けつけたところで、空き部屋に移動した。

ケンティ「俺は、誰がこの呪いを掛けたのかは知らない。でも分かることは、あの身体に裕とルンペルシュティルツキンが混在している。」
ムラコ「崇裕と!?」
重岡「二人がこの中に?だから、俺が見つけた時は濱田やったんか。」

裕は何か真実を知ったのか、ルンペルシュティルツキンを甦らせようと、自分の命と引き換えに闇の魔法に手を出した。
そして新たな呪いでストーリーブルックへ連れ戻される時、裕は辛うじて入手したポーションを俺に託したんだ。
それを持って俺は一人、船で沖に出たから呪いを間逃れた。

ムラコ「助かる方法は?」
ケンティ「魔法で引き剥がす。……残念だけど、裕は助からない。」
重岡「そんな……」
横山「……でも、それが最善策やって、一年前の俺は判断したんやろ?」

別室で隠れて話していたつもりだったけど、
すっかり裕の耳に届いてしまった。

重岡「裕くん……」
横山「しゃあないやろ?俺は魔法が使えない。親父の方が西の魔女退治には使えるはずや。」

ほらって、潔く腹を括った裕が重岡に両手を伸ばす。

横山「お前が引き剥がしてくれ……エマ。」
重岡「嫌や!」
横山「そんなんじゃ西の魔女に勝てへんぞ。」
重岡「やって！裕くんが死んでまうやんか!!」
横山「もう死んでんねん。……智洋と三人で暮らす夢、叶えてやれなくてごめんな。」
重岡「なぁ?せめて、せめて智洋がいる時に!」
横山「…あの子にこんな残酷な姿、見せられへん。」

暫く黙り込んだ重岡だったけど、
意を決して裕の手を掴んだ。

重岡「今までありがとう。裕くん、大好きやで。」
横山「エマ、愛してる。」

重なる唇は、永訣の合図だった。