ワンス・アポン・ア・タイム～おとぎの森は西の町～シーズン4 (ページ23)

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第22話光の魔法

ジュンside

ジュン「なんやて？西の魔女の弱点は水だけちゃうやと……？」

マリアちゃんが襲われたあの日から、
まだ見ぬ西の魔女を倒す術を研究していた。

アメリカ映画の名作と呼ばれるオズの魔法使いでは、
西の魔女は、主人公ドロシーが掛けた水によって消滅する。
でも、そんな生ぬるい事はストーリーブルックで通用しない。

ジュン「しげ、今から来れるか？」
重岡「ええけど……何？？？」

俺はすぐに、そのキーパーソンを呼び寄せた。

◇

重岡side

重岡「いきなりなんやねん？まぁ、暇してたけどさぁ。」

役所の町長室に行けば、何やら企んどる淳太。
パッと見、一時期流行った美しすぎるなんちゃらみたいやけど、
目が合ったその瞳の奥は、女王の執念に満ち溢れていた。

ジュン「しげ、今から魔法覚えろ。」
重岡「……はぁ！？」
ジュン「お前しかおらんねん！光の魔法が使えるのは。」

いやいや、ちょっと！
そりゃ、今までに結界を張ったり、
ドリームキャッチャーでポンゴの視界を見たり、
経験が無いわけちゃうけど、
俺は淳太と違って魔法使いちゃうねん！！

それに……

重岡「なんやねん？光の魔法って。」
ジュン「魔法使いには二種類おる。悪事に使うのか、善意に使うのか。俺も濱ちゃんも悪人側やねん。もちろん、西の魔女も。しげなら、北の魔女グリンダになれるんやないか？」

北の魔女グリンダ。
彼女は、ドロシーに家に帰る方法を助言する良い魔女。
それが俺？？？

ジュン「とにかく時間が無いから、ほれ！」

！！！！！！

そう言うと、悪い側の魔女淳太は、
手を振り上げると俺に幻を見せてきた。

重岡「ぎゃああああ！！崖！落ちる！！」

町長室は、一瞬で崖に変わり、
俺は今にも壊れそうな吊り橋の上。

ジュン「助かりたかったら、自分の力を信じろ！」

荒療治にも程がある。
お前は悪い女王やない。
鬼や！

ﾌﾞﾁｯ

目の前で、吊り橋の縄が切れた。

重岡「アカン！死ぬ！！！淳太のバカぁぁぁぁ！！！」

俺、こんな呆気なく死んでまうの？

智洋！

裕くん！！

こんなん嫌や！！！

ﾋﾟｶｧｧｧｧｧ!!!!!

ただ、死にたくないの一心やった。
けど……

ジュン「お前……やっぱり才能あるやんけ。」

気付けば俺は、壊れた吊り橋ごと浮遊していた。