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第21話 魔女狩り
藤井side
藤井「なぁ、魔女狩りせぇへん?」
一刻も早く西の魔女を仕留めてやろうと、
俺は魔女狩りを募った。
リチャ「もちろん、王子に賛同するで。」
中島「ぜってー捕まえてやる!」
藤井「よっしゃー、出発や!」
やる気満々なヤツらが集まってくれて、
山道を捜索する事にしたその時…
桐山「あ、あの!!」
遅れてやってきたのは、確か桐山さんって人。
襲われた子供がいる施設の人やったと思う。
桐山「俺も参加させてください!」
そう言って突き出したのは弓矢。
桐山「おとぎの森では、ロビンフッドと呼ばれとりました。」
藤井「ロビンフッドって……女王の?」
桐山「でも、フラれてもうた。」
藤井「は!?嘘やろ?」
まてまて!?
二人は想い合ってたんちゃうの!?
桐山「町長は、襲われたのは自分のせいやと責めてました。やから、俺はその元になった魔女を仕留めて町長とヨリを戻したいんです。」
ﾌｯ
中島「何あれ!?」
リチャ「え?どれ?」
何かを見て騒がしくなる二人。
藤井「何が見えた?」
中島「黒い人影!あっちに行った!」
さては、西の魔女か?
俺たちは二手に別れて人影を追い掛けた。
藤井「あれか!?」
桐山「待て、西の魔女!!」
ロビンフッドが矢を放つ。
ｻﾞｸｯ
矢が人影の脚に命中してその場に倒れ込む。
藤井「西の魔女、覚悟!!」
俺は人影の心臓目掛けて剣を振り下ろした。
ｳｧｧｧｧｧ
ところが……
藤井「え……」
桐山「どういうこっちゃ……」
苦しみ悶えていたのは……
「お前なんかに立派な父親が務まるのか?……羊飼いのシズマ。」
西の魔女ではなく、俺自身やった。
藤井「うわっ!」
桐山「王子!しっかり!!」
所詮俺はただの羊飼い。
周りに流されて王子にさせられたまで。
そんな俺が、産まれてくる子供の父親にふさわしいのやろうか……
ﾊﾞﾀｯ
桐山「王子!!」
◇
気付けはそこは病院で……
ノゾム「流星!」
俺の手を握って泣きじゃくる望がいた。
藤井「ごめん。俺…ホンマは王子ちゃうねん。」
ノゾム「だから?シズマはもう立派な王子様やで。」
藤井「え!?何でその名前を?」
ノゾム「ちっちゃい頃、よく遊んでくれたやん?」
藤井「……まさか、のんすけ?」
ノゾム「覚えててくれたんや!王家の人間たちは脱走が得意やねん。」
ずっと不安やった。
でも、俺には理解して貰える家族がおった。
ノゾム「あ、動いた。ほら。」
手を添えると、望のお腹から感じる胎動。
この子の為にも、西の魔女を捕まえな。
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作者名：るびぃ | 作成日時：2021年11月22日 4時
