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#4-20 ページ21

第20話 ハート泥棒

ノゾムside

ジュン「この後午後1時より、緊急の説明会を行います。」

ジュンちゃんが発した防災無線が町中に響く。

ノゾム「緊急って怖いなぁ…なぁ、クラコ先生?」

最近お世話になってる産婦人科のクラコ先生と世間話をしていた。

クラコ「またピーターパンみたいな不審者でも出たんかな?」
ノゾム「嫌や。この子を連れ去らんといて!」
クラコ「例えばの話やんか。でも、もしそうなら私も小瀧さんの赤ちゃんを守ったる!」
ノゾム「ホンマにクラコ先生と話してると安心するわ。」

午後1時。

ジュン「昨夜、こども園の幼児がフライングモンキーに襲われて怪我をしました。どうやらこの町に、西の魔女が潜んでいるようです。怪しい人物もしくはフライングモンキーを見つけた際は、役場までご連絡ください。」

フライングモンキーに西の魔女…
子供が怪我をした…
初めて聞くワードに不安でいっぱいになった。

クラコ「大丈夫?」
ノゾム「うん…」
クラコ「私が付いとるよ。」



ジュンside

説明会にはほとんどの町民が集まってくれて、
中には智洋の姿もあった。

重岡「智洋も気ぃつけや?」
智洋「でも、俺もう国によっちゃ大人やで?」
重岡「親はいくつになっても我が子が心配やの!」

そして、当事者側として照史も姿を見せた。
説明会が終わると、会館は疎らになる。

桐山「君、晶哉の友達やんな?」
智洋「え?あ、はい。」
桐山「晶哉、言うてたで?トモが居らんかったら、ピーターパンの生贄になってたって。」
智洋「そんな…俺はただしげやパパ達を信じてただけやで。」
桐山「信じる…かぁ。」
智洋「お兄さんって、ロビンフッドやろ?パパ…女王様のこと宜しくな!しげー、はっすんトコでプリン食べへん?」

智洋、丸聞こえやぞ?
ワンナイトで終わってしまったことを知ってか知らずか…

桐山「あの、町長?」
ジュン「……はい。」
桐山「俺のこと嫌いになりましたか?」

何言うてんねん。
んなわけないやろ。

ジュン「いや……」
桐山「西の魔女を捕まえたら、俺にもう一度チャンスを貰えませんか?せっかく会えたのに、簡単に諦めたくないんです。」

そう言って、再びレザーコードにぶら下げられた指輪を俺に見せた。

桐山「おとぎの森にはロビンフッドよりもやり手の盗人がおってな………そいつの名前はマリアンヌって言うねん。俺は彼女にハートを盗まれてもうたんです。」

それならあんたも私のハートを返してや。
何十年もあんたに盗まれっぱなしや。

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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年11月22日 4時

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