#4-20 ページ21
第20話 ハート泥棒
ノゾムside
ジュン「この後午後1時より、緊急の説明会を行います。」
ジュンちゃんが発した防災無線が町中に響く。
ノゾム「緊急って怖いなぁ…なぁ、クラコ先生?」
最近お世話になってる産婦人科のクラコ先生と世間話をしていた。
クラコ「またピーターパンみたいな不審者でも出たんかな?」
ノゾム「嫌や。この子を連れ去らんといて!」
クラコ「例えばの話やんか。でも、もしそうなら私も小瀧さんの赤ちゃんを守ったる!」
ノゾム「ホンマにクラコ先生と話してると安心するわ。」
午後1時。
ジュン「昨夜、こども園の幼児がフライングモンキーに襲われて怪我をしました。どうやらこの町に、西の魔女が潜んでいるようです。怪しい人物もしくはフライングモンキーを見つけた際は、役場までご連絡ください。」
フライングモンキーに西の魔女…
子供が怪我をした…
初めて聞くワードに不安でいっぱいになった。
クラコ「大丈夫?」
ノゾム「うん…」
クラコ「私が付いとるよ。」
◇
ジュンside
説明会にはほとんどの町民が集まってくれて、
中には智洋の姿もあった。
重岡「智洋も気ぃつけや?」
智洋「でも、俺もう国によっちゃ大人やで?」
重岡「親はいくつになっても我が子が心配やの!」
そして、当事者側として照史も姿を見せた。
説明会が終わると、会館は疎らになる。
桐山「君、晶哉の友達やんな?」
智洋「え?あ、はい。」
桐山「晶哉、言うてたで?トモが居らんかったら、ピーターパンの生贄になってたって。」
智洋「そんな…俺はただしげやパパ達を信じてただけやで。」
桐山「信じる…かぁ。」
智洋「お兄さんって、ロビンフッドやろ?パパ…女王様のこと宜しくな!しげー、はっすんトコでプリン食べへん?」
智洋、丸聞こえやぞ?
ワンナイトで終わってしまったことを知ってか知らずか…
桐山「あの、町長?」
ジュン「……はい。」
桐山「俺のこと嫌いになりましたか?」
何言うてんねん。
んなわけないやろ。
ジュン「いや……」
桐山「西の魔女を捕まえたら、俺にもう一度チャンスを貰えませんか?せっかく会えたのに、簡単に諦めたくないんです。」
そう言って、再びレザーコードにぶら下げられた指輪を俺に見せた。
桐山「おとぎの森にはロビンフッドよりもやり手の盗人がおってな………そいつの名前はマリアンヌって言うねん。俺は彼女にハートを盗まれてもうたんです。」
それならあんたも私のハートを返してや。
何十年もあんたに盗まれっぱなしや。
51人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るびぃ | 作成日時:2021年11月22日 4時