ワンス・アポン・ア・タイム～おとぎの森は西の町～シーズン4 (ページ20)

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第19話フライングモンキー

ジュンside

佐野「猿の化け物は、羽が生えとって、縁側でスイカを食べとったマリアを襲ったんです。」

俺は化け物の正体を調べるべく、ある人物の元を訪れた。

重岡「なんやそれ、きもっ。」
ムラコ「まぁ、この町で現れるくらいやから、何かの物語に関係してるはずやな。でも、何やったっけなぁ〜羽の生えた猿………」

情報提供を求めたのは、ずらりと並ぶ小説の背表紙と睨めっこする司書の村上信五ことムラコ。
そして、一度は逃がしたはずが戻ってきたしげ。

ムラコ「これちゃうか？フライングモンキー。」

まんまの名前やな。

重岡「これは何の物語や？」
ムラコ「オズの魔法使い。西の魔女の家来や。」
中間「と、言うことは西の魔女がこのストーリーブルックに身を潜めとるということか？」
ムラコ「恐らく。」

西の魔女……
一体、どんな奴なんや？

◇

？side

んん………
どこや？ここ？

「……さすが。簡単には死なへんな。ルンペルシュティルツキン。」

暗くて姿を見付けることは出来ない。

濱田「……誰や？」
「覚えとらんなんて、残念やなぁ。それもそうか。アンタは王家のマルコとジュンの肩を持ったもんな。」
濱田「まさか………西の魔女、クラコ？」
クラコ「名前、覚えてたんや。でも、大阪で大倉忠義の姿で1回会ったのに、全然気付いてくれへんかったよな？まぁ、それくらい私の魔法が優秀って事やんな。」

くそっ。
拘束こそされていないものの、鉄格子が頑丈で破るのは難しい。

濱田「お前、何が目的や？」
クラコ「過去に戻ること。中間淳太が生まれない人生さ。」
濱田「時間を遡るなんて無茶な！？」
クラコ「おっと、仕事の時間や。」
濱田「仕事だと……？」
クラコ「定期的に検診せな。白雪姫から元気な赤ちゃんを産むためにな。」
濱田「やめろ！赤ん坊に罪はないやろ！？」
クラコ「ﾊﾊｯ。お前が言うかよ。あの時、ジュンを攫ってくれたらどれだけ良かったか。あ！短剣は預かっとるから。アンタは丸腰やで。暇ならその糸車、好きに使いや？じゃあ、行ってきまぁす。」

ｶﾞｼｬﾝ

濱田「くっそぉぉぉぉぉ！！！！」

悲しい……
虚しい……
情けない……

俺はただひたすら目の前の糸車を回し、藁から金を紡ぎ続けた。