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第12話 記憶のポーション
重岡side
ケンティ「その人があんたの父親。重岡との間に生まれたひとり息子。」
重岡「え？え？俺との間って言ったか？」
ケンティ「そうだよ。呪いで男に変えられたエマ王女だって、あの時は自覚あったじゃん？」
智洋「この人、頭打ったんか？」
重岡「とも、やっぱり警察呼ぼう。」
ケンティ「ちょっと待てって！」
固く縛ったネクタイはビクともしないけど、
どうにかしようと足掻く不審者。
ケンティ「あ！ポーション！反対側のポケットに入ってる。これを飲めば記憶が蘇る。」
重岡「誰が飲むか！そんな危険物。」
ケンティ「頼むよ。ストーリーブルックには救世主の力が、重岡大毅の力が必要なんだって！！」
“救世主の力が必要なんだって！！”
その言葉に揺らいだ自分は、まだ子供なんやろか？
◇
智洋side
不審者を見下ろしながら、下唇を噛む大毅。
ホンマは救世主と言われて満更でもないんやろう。
智洋「気になるなら、飲んでみれば？」
重岡「何言うてんねん！？毒かもしれへんやん！」
ケンティ「毒なもんか！お前らの嘘で塗り固められた記憶を元に戻す為に持ってきたのに！！」
智洋「……大毅、飲んでみようや。もちろん、お前が毒見してからな。」
ケンティ「わかった。」
冷蔵庫からミルクティーを取り出す。
牛乳嫌いの俺でも飲める、あっまいミルクティーをグラス3つに注ぎ、不審者用に一つだけストローを挿す。
重岡「ヤバいと思ったら飲まんからな。」
そして、怪しい液体を3つに垂らす。
ｺﾞｸｯ
ケンティ「……ほら、なんも無いだろ？」
残念ながら、毒ではないらしい。
えー、飲まなあかんの？
重岡「とも……ええか？」
智洋「……しゃあない。なんかあったら、すぐ救急車呼んでや？」
俺たちはミルクティーを口に含む。
ｺﾞｸｯ
そして、飲む。
智洋「味は普通やなぁ………ぁ。」
“ようこそ、ストーリーブルックへ。ここが俺の町。”
“やっぱり、しげは俺の本当のお母さんやったんやね…”
“やっと見つけた、奇跡の子。僕はピーターパン。さぁ、一緒に行くんや。ネバーランドへ！！！”
智洋「しげ……。」
しげを迎えに大阪に行ったこと、
毒リンゴのアップルパイを食べて死にかけたこと、
そしてピーターパンに攫われたこと。
他にもパパのこと、本当のお父さんのこと、
小瀧先生が白雪姫で、王子の流星はホンマは王子やないこと。
智洋「フック船長、思い出したわ。しげは？」
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作者名：るびぃ | 作成日時：2021年11月22日 4時
