第１３話 ページ18
第13話 ラーメンと痴話喧嘩
１週間後、
焙煎機のデザインや軽量化レバーの素材とか、
細かい話をするために、技術部の大倉を連れてオーサリを訪れた。
『大倉のスーツ、新しい？』
大倉「わかる？」
『なんか、こんなに細かったっけ？』
大倉「頑張って痩せたの！健康診断で食いすぎ言われたから...」
『え？背脂チャッチャ系、行ってないの？』
大倉「月１にセーブしてる。」
『行くんかーい！次行くとき誘ってよ。たまには食べたい。』
大倉「お前、いっつも半分も食わんやん。」
『だから、普通盛り２つにして、残り食べてよ。』
大倉「なんや、話してたら食いたくなってきたわ。」
『また太るよ。』
大倉「話振ったのお前やん！」
三十路二人、オーサリの前でラーメンを廻り痴話喧嘩。
安田「あれ？こんにちは〜」
『「！！！？？？」』
そして、痴話喧嘩を見られる始末。
あぁ、最悪...。
安田「会社の皆さんって仲ええんですね。」
『いやいやそんなこと無いです！』
安田「お二人、付き合ってるのかな〜って思いましたもん。」
大倉「ありません。(即答)」
『大倉さん、仕事の話しましょうか？』
大倉「そうですね。」
大倉は、同期で入社して、お互い仕事に慣れようと情報交換をしていた仲。
悪友なんですよ、私達。
男とか女とかもはやない。
村上部長を赤鬼と呼んだり、
新年会の出し物でお揃いのコスプレして踊ったり、
研修帰りにいつも、活力つけるで！って、
背脂チャッチャ系ラーメンを食べに行っていたな。
今でも、バカ食いするから健康診断で引っ掛かるんだよ？忠義くん。
大倉「重いとお困りのレバーですが、チタン合金で軽くするのが、私のオススメなのですが、いかがでしょうか？ちなみに、同じ大きさのステンレスとチタン合金のサンプルをお持ちしました。これだけ変わります。」
安田「あ！すごいわ！こっち、めっちゃ軽い。」
大倉「神経、痺れませんか？」
安田「平気！これええな！」
仕事は食欲に反して繊細です。
営業もいけるとかずるい男だ。
今日、私出番ないじゃん。
安田「これで、ぜひお願いします。」
大倉「プロトができた時点でAから連絡差し上げます。」
『連絡します！』
安田「楽しみにしてます。」
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作者名：るびぃ | 作成日時：2020年11月10日 13時
