おツボネさんの恋愛模様 (ページ15)

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『バウムクーヘン、切ったので皆さんどうぞ。』

カップ麺の匂いが漂う奥から、はーいと返事が聞こえる。

『主任もどうぞ。それとこれが朝言ったコーヒーです。』

横山「ありがと。一緒に食べようや。ほら村上さんの席空いてるし。」

そう言って、今日は外回りで不在の村上部長の椅子を持ってくる。

『お言葉に甘えて、失礼します。』

大好きなバウムクーヘンと安田さんとこのフレンチのペアリングは、想像通り最高だった。

横山「うまいな！このコーヒー。」

『今度、オリジナル焙煎機の打ち合わせするんです。』

横山「へぇ、面白そうやん。」

『それで、試飲用にと。』

横山「それでか。」

『何がですか？』

横山「村上さんが、最近主さんの様子が変や言うてて。」

『変ですか？』

横山「なんや目付きが柔らかくなったって。丸くなったなって言うてな。」

ドキ...

横山「美味しいもん食うと、気持ちも満たされるよな。」

あれ？思ってた内容じゃなかった。

いや、それは横山主任の口から聞きたくないから鈍い人で助かった。