第2話 「 一目惚れ 」 ページ3
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「 あの、俺も見たいからちょっと退いてくれる? 」
『 …あぇ、すみませ… 』
急に話しかけられ同様しながらも振り返ってみれは、そこに立っているのは見る限り180……はある巨人くんだった
「 うっわめんどくさ……俺の名前どこだし… 」
彼はクラス替え表と目が合うなり、げそっとした顔でそう文句を垂れる
「 あ、あのさ、俺の名前探してくんない?凪 誠士郎って名前無かった? 」
凪 誠士郎、と名乗った彼は、先程まで表を眺めていた彼女にそう問いかける
とんでもない質問だ、自分の名前を今会って間もない人に探させるという所業
「 ……ねぇ、聞いてる? 」
彼女は唖然としていた。声も出ないようだ
そんな彼女を不思議そうに眺めている凪は、ぱっと視線を表に戻すと
「 あ、あった。じゃあね 」
と言い残し去って行く
彼が去ってからも、彼女はその場に立ち尽くしていた
理由?それは_……
『 は、はぇ……なに、いまの……
すき…… 』
さっきこの場で会った何も知らない赤の他人
面倒臭いから、と言って自分の名前を赤の他人に探させるような
猫背だし暗そうな
そんな
凪 誠士郎に、一目で恋に落ちたからだった
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作者名:れーな。 x他1人 | 作成日時:2022年12月28日 12時