拾肆話 ページ15
法条side
姉さんから芦屋花繪に直々に指導?!マンツーマン?!
こんなことで姉さんを独り占めにするなんて許すか!!
てゆうかちょっと待て…芦屋…"くん"?!
俺もくん付けで呼ばれてみたい……!!!
法条「…姉さん、俺が」
『貴方が?大丈夫?』
法条「問題ありません。だいたい、この程度の知識、祓い屋ならば知っていて同然。説明を怠った主と哀れな奉公人の再教育に姉さんが手を煩わせる必要などありませんからね。
……芦屋花繪、俺はお前が嫌いだ。別にお前の命なんざどうなろうと俺の知ったところじゃない。だから自分の身は自分で守れ。死にたいなら別だけどな」
芦屋「よ、よろしくお願いします…」
『大丈夫かしら』
ミクズ「そうですねぇ…(まぁどうせ法香様関連で動いているのでしょうけど…)」
法条「まず、悪霊は妖怪なんだよ。」
芦屋「…妖怪なんですか?」
法条「妖怪、と言うよりは妖怪が様々な影響で変質し、自我もなく、ただ悪霊の本能のまま、人間や妖怪を喰らう。それが悪霊」
芦屋「人も、妖怪も…」
法条「…そして、これからが俺たちの仕事の話。
俺達はその悪霊を祓っている。……つまり、殺している。」
芦屋「…………え、戻す、とかではなくですか?」
法条「……稀に、悪霊になった状態から自我を取り戻す妖怪もいる。……戻った途端、体が灰になって消えていくけどな」
芦屋「……………」
俺が悪霊達の顛末を芦屋花繪に説明し終わると、ソイツは黙って悲しそうな、辛そうな顔をした。
こいつは今何を考えているんだろうな。
殺された妖怪達のことか?それともこれから俺達が殺すべき悪霊についてか?
いずれにせよ、こいつが何を言おうが俺は悪霊を斬ることを辞める訳には行かない。
芦屋「……辛く、ないんですか…?」
法条「!」
予想外の答えだった。
………そんなこと言う人間、こいつで2人目か……
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作者名:あんず | 作成日時:2019年12月8日 19時