4つ下の同期【ハロウィンの花嫁】

case.09 ページ10

*A



陣平とふたり、爆弾に向き合う。

陣平が爆弾のクリア板を外す。


松「とは言え、こいつは手強いぜ」

『残り8分』


かなり精巧な爆弾のようだ。
確かにこの大きさのものが爆発したら、ひとたまりもないだろう。


『大丈夫なんだよね。陣平』

松「ﾌｯ…かなり信頼されてるな。俺」

『してるよ。いつもね』


軽い会話をしながら陣平にペンチを渡す。
いくつものケーブルを引き出し、その一本を切ったとき、足音が聞こえた。
振り返ると、さっきのマスクが戻ってきて拳銃を向けてきた。


『！』


とっさに陣平の前に立つ。


松「てめぇ、、楽しい楽しい爆弾の解体中だってのに邪魔してんじゃねえ！」


パンッと銃声が鳴った直後、目の前に車のドアを持った班長が出た。


松「『班長っ』」

伊「丸腰で拳銃もってるやつ相手にすごんでんじゃねえよ！」


班長がドアをもったままマスクに突っ込むがマスクはそれを避けた。
だが直後、部屋に入ってきた景光に回し蹴りをされ銃を奪われる。


『景光！』

諸「ゼロは無事？」


そこへ戻ってきた零。


降「すまん、助かった」

伊「奴が壊した車のドアを持ってきて正解だったな」

「…」


マスクは拳銃を取られ5人に囲まれたことでさすがに諦めたのか
非常階段に走って逃げた。


諸「待て！」


景光に続き、班長、零、私もマスクを追いかけた。

わざわざ戻ってきたってことは他に仲間はいない。

マスクは外の階段まで出ると、手からワイヤーを出して隣のビルに移ろうとする。


降「ふたりとも避けろ！ 逃さないよ」


零が放った銃弾は、マスクが釣られるワイヤーのロープに当たり切った。
マスクは寸でで縁に捕まり隣のビルの外階段に登った。


『ヒロ、拳銃！』

諸「え」

『班長行くよ！』

伊「…マジかよ」

降「A！」


零の後ろから全力で駆け出し、景光と班長に声をかけた。
景光が宙に銃を投げるとそれを受け取り、班長が手で作った足場に足をかけると
向かいの外階段に向かってジャンプした。


『…っ』


着地は惜しくもマスクの一個下の階。
上に逃げるマスクを階段を駆け上がって追いかける。


伊「マジかよあいつ」

諸「無茶ばっかりする」

降「ヒロ、班長！僕はAの援護に回る。まだ奴の仲間が潜んでるかもしれない。ふたりは松田を頼む！」

伊「お、おう。お前も気をつけろよ」



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