悲しき鬼 其ノ弐

遊郭 ページ8

◆A


夜……人が賑わう、遊郭という所に着いた。


宇「いいかお前ら、あくまで様子見だからな。絶対に車から降りるんじゃねーぞ」

『なんで私この人の隣なの…』


炭治郎たち3人でいっぱいの車に乗れず、
ガタイのいい宇髄さんの隣に座ることになった。
「お前が一番チビだから」と言われムカついたが飲み込んだ。


「旦那ぁ…」


後ろから申し訳なさそうな声が聞こえ、車から降りると炭治郎たちの姿がない。


宇「あのクソガキ共！」

『その辺にいるでしょ』

宇「ったく。行くぞ」


宇髄さんと炭治郎たちを探す。


宇「…そういやお前、煉獄にかなり気に入られてるみたいだな」

『…なんですか？急に』


ニヤリと笑いながら聞いてくる宇髄さん。


宇「いや、煉獄と顔合わせる度、お前の話をするからな」

『…聞いてもいいですか』

宇「ん？」

『宇髄さんは私をどう思ってるんですか？』

宇「どう？…別にお前みたいなガキ、嫁に貰おうとか思ってねーけど…」

『そうじゃないですっ、半鬼であることですよ』

宇「…俺はそれなりに認めてるぜ。お前の話は度々聞くが、頑張ってるみたいじゃねぇか」

『…』


少し嬉しくて、思わず頬が緩む。


宇「可愛い顔できるじゃねーか。ずっと膨れつらだったからよ」

『…』

宇「俺が知る限りでは、お前を認めてるやつはまぁまぁいるぜ」

『そうなんですか？』

宇「煉獄はもちろん、胡蝶と冨岡、甘露寺も言ってたな」


意外といて嬉しい…。


『…あ、炭治郎たち』

宇「てめーらこら！勝手に動くなって言ってんだろ！」

炭「昼みたいだ…」

宇「これが吉原の遊郭だ。男と女の見栄と欲、愛憎渦巻く夜の街」



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