逃した魚は5m_2[歌い手]

ルート3_1 ページ22

『……どうですか。』

そらる「うん。前より全然よくなってる。」


そういって少し笑ったそらるさんを見て、思わず安堵の笑みがこぼれる。
今日は、久々にそらるさんにMIXを教えてもらう日。
前回言われたアドバイスを元に、アリスの歌みたをMIXしたのだ。


『やっぱりプロに教えてもらうと違いますね。独学でやると限界があるっていうか。』

そらる「俺が教えるの上手いだけだから。」←

『わぁ、自画自賛してる。』←

何度か会う内に、こんなに(真顔で冗談言い合えるぐらい)仲良くなりました。はい。


そらるさんも忙しいはずなのに、本人曰く「教え始めたなら徹底的に」とのことで、二週間に一回程度教えてもらっている。

歌い手さんと会話が続くようになる位仲良くなるなんて思わなかったな〜。
あ、歌詞太郎さんは別ね？あの人は神だから。(真顔)

　
そらる「ねえ。次はいつ空いてる？来週の土曜日とかは？」

キッチンでそらるさんに出すお菓子を探していると、ふとそんな声が聞こえる。
来週の土曜日か〜。歌詞太郎さんのライブ見に行くんだよね。

『土曜日は予定は入っちゃってるんで、別日にしてもらえませんか？』

すみません、と飲み物を入れ直す。

そらる「ふーん、別にいいけど。…あ、歌詞太郎さんのライブ？」


別にいいけど、と言いつつ拗ねたように不機嫌になるそらるさん。
こういう所あるんだよね。意外と。

動画とかだと頼りになるイメージが強いけど、実は顔とか態度に出ることだって多いし、子供っぽい？所もある。
いや、三十路だけどね。←

そらる「…その日以外だと、当分来れないから。」

そこで一度言葉を切り、ため息をつく。

そらる「しばらくご飯食べれないのかー…。」

『そらるさんってそんなに私の料理気に入ったんですか？』

今まで、MIXを教えてもらった日は、そのままお昼ご飯を一緒に食べていた。と言っても、素人の手作りだし、そんな大層なものは出せないけど。


『家でちゃんとご飯食べてるのか心配になるんですけど？金欠とかじゃ無いんですよね？』

そらる「それとこれとは話が別なの。お母さん。」←

『誰がお母さんだ。』←

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