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episode'3 ページ4

「ちょ、ちょっと!」

浮かれた気分でいたが、このままじゃ腑に落ちない。
私は走って教室を出ていってしまった村本くんの背中を追いかけた。
もう随分遠くなってしまっていたが、私が「村本くん!」と呼ぶと彼は足をピタッと止めて振り返った。
私は彼に追いつくように走り続ける。

やっと近くに来た。
村本くんは相変わらず顔が赤くて、それは私も同じだった。

「村本くん、これ...」
「っ、...その紙の、通りだよ。」

息が止まりそうになる。
1年生からずっと好きだった人が、今目の前で、私の事で顔を赤くしている。

「私...えっ、と...」

顔がさらに赤くなる。
呼吸が乱れる。空気が熱く感じる。
誰もいない廊下の端っこ、私と村本くんは向き合っている。

「小西が好きなんだ。」

私は村本くんの顔を見て、それが冗談でもなんでもないと知る。
村本くんの顔は真剣だった。

「そ、そっか...う、うん。」

あはは、と笑いながら私は回れ右をして、教室に戻ろうと足をすすめる。
1年生からずっと憧れていた人。
その人が、私に、好き、って。好きなんだって言ってくれた。
嬉しさと恥ずかしさで良く分からない。

「待って小西!」
「ん?!」

私また距離が離れた村西くんを見た。

「小西も...その...」
「あ、私は...あー!さっき言った通りですよ?!

あーー!!ごめんね村本くん!私これからは馴れ馴れしくするわ!今すっごい嬉しいの!」

私は何が吹っ切れたのか、村本くんにそう言っていた。
恥ずかしさは無くなっていて、嬉しさが増して行く。

「うん。俺も...!
小西。」
「おう、村本!」

私は笑って、また回れ右をして、教室に戻った。
教室に戻った私の顔が綻んでいるのを見て、進藤はニヤつく。

「はは〜ん?」
「な、なによ!
村本とはもう仲良しだしー」
「あっそ。じゃあ私も村本と仲良しー」
「?!」
「小西が仲良しな人は、私とも仲良くなるの。そういうものなの。」

なんだそれ。

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設定タグ:恋愛 , オリジナル , 学校   
作品ジャンル:ギャグ, オリジナル作品
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作者名:みなみなさんさんみなさんさん。 | 作成日時:2015年8月27日 0時

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