桜の時期は出会いと別れ【時透無一郎】 (ページ11)

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小桜霞の過去ページ11

『ほにゃ、ほにゃぁ』
母「まあ、可愛い子だねぇ。ねぇ、あなた」

父「ああ、可愛いなぁ。ん？なんだ、これ？」

母「痣かしら…？生まれたばかりの子に、痣なんて聞いたことないけど…。産婆さん、分かりません？」

産「私には何とも…」

父「1回、医者で見てもらうか…」
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
医「私にも分かりません…。とりあえず様子を見てみましょう」
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
霞『お、おとしゃん、おかしゃん』

母「まあ、上手だねぇ。よしよし」

霞『えへへ…』ﾆｺﾆｺ

父「もう、痣の心配はいらなさそうだな」
－12歳ー
霞『お母さん、大丈夫？お願いだから無理しないで』

母「大丈夫よ。霞は早くお父さんの手伝いをしてきなさい」

霞『ほんとに？』

母「本当よ』

霞『ならいいけど…』
－母の状態悪化－
霞『お母さん、だから言ったじゃん！無理しちゃ駄目だって！』

母「でもね…あなた達に心配かけたくなかったのよ…」

霞『お母さんが死ぬ方が、よっぽどの迷惑だよっ！』

母「ごめんね…。でも、早く家を出て行って。前にも言ったけど、これは伝染病なのよ…」

霞『嫌だっ！出て行かない！』

父「霞」
　ﾋﾞｸｯ
霞『お父さん…』

父「お母さんがそう言ってるんだ。最期の願いくらい聞いてやれ」

霞『嫌だ…最期なんて…』

父「俺は此処に残ってお母さんの看病をする。霞はもう出て行くんだ」

霞『何でお父さんだけ…』

父「大人だからだ」

霞『だったら私だって…！』

父「霞はまだ12だ。子供だ」

霞『…もういいよ……出て行けばいいんでしょ！』
　ﾌﾗﾌﾗ～
－数日後－
霞(ちらっと様子を見に行こうかな…)
　ｶﾞﾗｶﾞﾗ
霞『お母さん、お父さん…？…っ！』

そこには、お母さんとお父さんの2人が、倒れて死んでいたのだ。

霞『お母さん？お父さん！何でよ、何でよ！うわああああ！』

私はその場に泣き崩れた。
実は、私は気づいていた。

私が生まれた
痣が発見されたあの日から…