８ ページ8
.
- SIDE . KEI -
.
伊「 いいよ 、泊めてあげても 」
気がついたら 彼女の手を掴んでそう言っていた 。
めんどくせぇって思ってたのに 、
変なやつって思ってたのに 、
一晩だけでおしまいって思ってたのに 、
.
どうしたんだろう 、俺 。
「 ん 、え… ？ 」
伊「 だから 、帰るとこ無いなら 、居れば良いじゃん 、」
.
.
彼女の制服の下の 、隠した秘密 。
決して良くはないであろう家庭環境 。
その全てが見えた気がして 、
わかんないけど 守ってあげなきゃって 、
単純にそう思った 。
もしかしたら 、若干の下心もあるのかもしれないけど 。
それにしたって 俺らしくない 。
「 いいの 、？」
.
でもやっぱりきっと 、一瞬の思いつき 。
ずっとなんて居られたら 、今度は俺が何するかわかんない 。
ましてや学生 。
誘拐とか 、そんな大事になったら困る 。
なのに 、笑ってるのに悲しそうな 、そんな目で俺を見つめるから 、
.
伊「 うん 、でも期間限定ね 、」
ほっとく訳にはいかないじゃん？
「 … うんっ 、」
そう言って ふわって甘く笑うから 、つられて俺まで笑顔に 、
なんてならなかったけど 、
口元が少し緩んだのがバレないように 、
小さい溜息で誤魔化した 。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つむぎ . | 作成日時：2017年6月4日 19時
