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熱々のお味噌汁をこぼさないようにそっと運ぶ。
途中でちらりと時計を見るともうすぐお昼になりそうな時間。結構な時間寝てたんだなって。
私より遅く寝て、私より早く起きた伊野尾さんは眠たくないのかなあ、なんてどうでもいい事を考えられるくらいには頭が冴えてきた気もする。
テーブルを挟んで伊野尾さんの正面に座った。
「 いただきます、」
パチンと手を合わせてそう言う。
部屋に流れるのはひたすらに沈黙。
二人でいても何も喋らない事は今までもあったけど、なんかいつもと違う。
伊野尾さんはたまにチラチラとこっちを見て何か言いたげ。
なんだろうと思ったけど、なんとなく怖くて気付かないふりをした。
そんなことを繰り返してるうちに、お味噌汁ももう飲み終わってまたパチンと手を合わせる。
と、同時に、
伊「 …あー、のさ。」
このタイミングを待ってましたとばかりに彼は喋り出した。
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作者名:つむぎ . | 作成日時:2017年6月4日 19時