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- SIDE . KEI -
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すやすやと眠る彼女を見て、ふと思った。
本当にこのままで良いのだろうか。
二晩泊めといて今更な気もするが、仮にも未成年の彼女。
なんでここまでしてるんだ、って少し正気に戻る。
元はと言えばただのノリ。
…正直、寂しさを埋めるのに丁度いいじゃんって思っただけ。
けど、彼女の闇を知って心配になったのも事実。
でもやっぱり、勝ってしまうのは下心。
手を出そうとすればいつでも出せる状況。
もし、通報なんてされたりしたら完全に悪いのは俺。
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これまで深く考えてこなかったけど、冷静になればすぐ分かる。良くないことだって。
彼女をほっとけない気持ちもあるけど、いつ大事になるか分からない危険に自分の身を晒してまで、彼女を守る必要はあるか?
そんなジレンマに頭を悩ませた。
「 んぅ…、」
小さく寝言を吐く彼女。
その幼い表情を見て感じた。
このままじゃだめだ。
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明日、起きたらちゃんと話をしよう。
彼女には悪いけど、出会って3日の他人の将来に責任を持てるほど俺はそんなに強い人間じゃない。
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楽しくて忘れていた。
俺たちは、
ただの他人だ。
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作者名:つむぎ . | 作成日時:2017年6月4日 19時