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「 クマ、付いてるよ？」
合鍵を貰った時から付いていたクマのキーホルダー。
伊野尾さんに似てて可愛いなって思ってたのに。
伊「 あー、それ。いいよ取っちゃって。」
そう言うと私の鍵からクマを取って、近くにあったゴミ箱にポイ、と投げ入れた。
「 え！なんで…、」
突然のことに驚いたが、伊野尾さんは至って冷静。むしろ少し不機嫌なようにも見えた。
伊「 あれ、元カノがつけてたやつ。俺に似てるんだって。」
「 元カノ、」
伊「 もういいの、関係ないっしょ？」
ふは、と笑いながら頭を軽く振って前髪を直しながら呟く彼は、なんだか冷たく見える。
早く、って渡してきた合鍵を受け取ってキーホルダーを付けると、
伊「 可愛いじゃん。Aは黒猫って感じ。」
そう彼は緩く笑った。
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おそろいって言われて嬉しくなったと思えば、
元カノって聞いてなんだか胸がチクリとしたり。
こんな私と一緒に居てくれて優しい人って思ったら、
怖いほど冷めた表情をしたり。
なんだ、この感じ。
なんだ、この人は。
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作者名：つむぎ . | 作成日時：2017年6月4日 19時
