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ふと携帯を見てみれば 夜の9時を過ぎていた 。
連絡先なんてほとんど登録されていない携帯は 時計代わりにしかならない 。
「 どうしよっかな… 」
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泊まっていいとは言われたものの 、居座るのは悪いと思って自分の家に帰った 。
昼間なら親もいないし 、シャワーを浴びて 着替えをして 、必要最低限の荷物をリュックに詰めて 。
いつものように街中をふらふら歩いていたら こんな時間になっていた 。
何時頃に帰るのがいいんだろう 、って思いながらも足は勝手に動いて気づけばアパートの前 。
階段を登って部屋の前を見ると 、
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「 い 、伊野尾さん…? 」
スーパーの袋を3つほど持って玄関にもたれ掛かって携帯をいじっていた伊野尾さん 。
私の声に気づけば ぱっと顔を上げて 。
伊「 おせぇよ 、」
そう言いながらも その表情はどこか柔らかくて 。
なんで 、どうして 。
中 、入ればいいのに 。
伊「 不良少女め 、早く鍵開けてー 」
鍵…?
ポケットから 鍵を取り出す 。
メモにあった通り 出かける前に閉めて 。
「 え 、持ってないの… ?」
てっきり合鍵だと思ってたそれは 違ったらしい 。
伊「 合鍵探すのめんどくてさ 、」
1時間も待ってたんだから 、早く 、と言われれば せかせかと鍵を開ける 。
伊野尾さんは ただいま〜 と呑気にドアを開けた 。
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作者名:つむぎ . | 作成日時:2017年6月4日 19時