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大人なら誰でも良かった 。
私の知らないことを教えてくれて 、
どこか遠くへ連れて行ってくれる人 。
そして 、ずっとずっとそばに居てくれる人 。
携帯を開けば 、夜10時 。
まだまだうるさい 街の中 。
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真面目そうなサラリーマン 。
これから仕事に行くであろう濃い化粧のお姉さん 。
面倒くさそうな酔っ払いのおじさん 。
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あ 、やば 、警察からは隠れなきゃ 。
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すれ違う人を片っ端から観察する 。
今日も良い人は見つからない 。
でも 、下手にうろうろして補導なんてされたら元も子もないし 。
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そうか 。またあの家に戻なきゃいけないのか 。
帰りたくないけど 、悔しい事に行く宛もない 。
空を見上げて 、目の奥が熱くなって 、
このまま真っ暗な空に 、吸い込まれたらな 、って 、
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思って 、
「 ねぇ 、」
その声と共にぎゅっと掴まれる左手 。
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思わず反射的に振り向いた 。
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作者名:つむぎ . | 作成日時:2017年6月4日 19時