【名探偵コナン】交通事故で死んだらあの世界に転生して立派な大学生！？ (ページ8)

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file1. 前世でぽっくりいっちゃった！？ver.8 ページ8

「ば、バス…！？」

それはバスだった。
「あ、死ぬね、こりゃあ……」
バスが勢いよく朱莉が乗っていた車のボンネットが鈍い音を立ててつぶれて、車のピラーも折れ曲がった。

対してぶつかってきたのは大型の観光バス。

観光バスのほうもところどころ破損はしてはいるが、運転手は打撲だが命に別状はなく、観光客は軽症だったことに、変わってよと思うも、もう無理だと悟る。観光バスの運転手は瞬時に保険会社、救急車などの機関に連絡したらしく、すぐに慌ただしく動いている救急隊員の人、無数の救急車両と、パトカーなどの警察車両がおびただしいほどサイレンを鳴らしながらやってきた。

「大丈夫ですか！？」
「痛っ、い……」
(声が聞こえる、誰の声だろう、ああ、運転手か……)
「……もしもし、聞こえますか！？」
(到着したのだろうか、救急隊員の人なのか……)

意識がはち切れそうになるなか、最後の力を振り絞って、動かした手足は激痛で動かせなかった。もう原型をとどめていないだろう。

バンパーもつぶれて、車の正面のガラスには大きなヒビが入り、車の正面もろとも、ぐしゃりとつぶれた。気づいたときには視界は暗転する。血がどばどばと出てくる。手足を動かすことができなくなっている。

衝突の衝撃でドンっと鈍い音が鳴り体は車体ごと押し潰され、その節々が潰された圧迫感で皮膚も破れ、潰れていく。頭のほうはハンドルのクッションが瞬時に頭を守ってくれたおかげで意識はあるものの、出血多量と、激しい痛みではちきれる寸前。息ができないのだからもう自分の人生は終わるのだろう。

「ただちに応急処置、応急処置！！」
「了解」
「AED持ってきて！！」
(想像したくはないが、この場所で死ぬんだな)

もう、体の感覚はない、自分が相手に何をされているのかももはや、わからない。

(ああ、やっと死ねるわ……)
「だめだ、出血多量で、すぐに死ぬぞ！！耐えてくれ！！」
「AED持ってきました！！すぐに開始します！！」
(あ、死ぬんだ……)

だんだんと意識が遠のいていく――――。

「だめだ、もう一度！！」
「もう無理です、体に負担がかかります！！」
「救急車到着、患者を運びます、担架をもってきてください」
救急隊員が必死に心肺蘇生、人工呼吸を施す。そんな声ももはや聞こえなくなっていく。

最後に思ったのは、自分の人生への未練だった。