【名探偵コナン】交通事故で死んだらあの世界に転生して立派な大学生！？ (ページ46)

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file4.前世ときっかけ。ver.1 ページ46

「みお、じゃなかった……美鈴、……遅くない？？もうとっくに待ち合わせ時間過ぎてるんだけれども……」

とある休日。Aはある本屋さんの看板前に立ち、親友の美鈴と待ち合わせをしていた。スマートフォンで実桜から送られてきたメッセージを通知で確認した後、メッセージアプリを開き、きちんと文面が送られているかを確認する。

そうしていると、向こうからショートヘアにイメチェンをしているAが見知っている一人の女性が、「ごめん」と語尾を伸ばして言いながら、こちらへと向かって走ってきた。
「ううん、今来たとこ」
「それじゃ、行こっか！！」
「米花町にある……三省堂書店へ！！」と二人は口を揃え、互いに笑いあった。

彼女は川崎実桜。今世は中村(なかむら)美鈴(みれい)と名乗っている。そして、Aと呼ばれているのは、かつて宮橋朱莉という女性として生きた記憶を持ち、今世ではAAと名乗っている女性である。彼女たちは同い年の女子大生だ。三省堂書店へと親友と一緒に入りながらAは朱莉として生きていたころ、変わり者だった彼女には、意外な一面があったことを思い出していた――。

るんるんといった弾む気持ちを全面に出している実桜は楽しげな様子で朱莉の隣を歩いていた、高校の帰り道。帰ろうと言った朱莉に対し、実桜はいいからいいからと気楽そうに言って、寄り道と表してとびきり大きい店舗の本屋さんに来たのである。

「……そんなに、嬉しいんだ……。」
「うん！！漫画は一巻からずっーと！集めてるからね！！」

本屋さんへと入り、漫画ブースへと行きながら、自信満々ににこやかに言う彼女に朱莉は若干引き気味で答えていた。そう、彼女は名探偵コナンオタクなのだ。

その頃は朱莉自身、「名探偵コナン」という作品自体、テレビでみる程度であんまり関心があるというわけではなかったのだ。

「あんたは、ちょっと待ってて」

実桜は楽し気な様子で、名探偵コナンの100と書かれた漫画を一冊手に取り、レジへとそれを持っていき、会計をすました。「ありがとうございました～」という店員の声を聞きながら本屋の出口を出た実桜は、とたんににこやかに朱莉を見た。

「よーしっ！ゲットゲット！！名探偵コナンの第100巻！！」
「……100，巻……そんなに、続いていたんだ……、ちょっとすごいね」