【名探偵コナン】交通事故で死んだらあの世界に転生して立派な大学生！？ (ページ45)

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file3.邂逅とコナンくん。ver.12 ページ45

「これまでの話を整理すると……、誘拐されたのはこの家の一人娘谷(たに)晶子(あきこ)さん、年齢10歳……」
立派な日本庭園に、豪華なお屋敷という日本らしい雰囲気漂うこの場所で、どうやら誘拐事件が起きたらしく、探偵の毛利小五郎は、その父親らしき男性と話し込んでいた。
「誘拐した犯人は、全身黒ずくめの大男だった……と」
毛利小五郎は少女の写真を見ながら、確認すると、「はい、わたしの執事が目撃者です……」と父親は答えた。
「そうなんだねっ！？麻生(あそう)くんっ！？」
「はっ、……はいい、旦那様っ！！」

(この人おっかない……)

なぜかコナンと蘭と一緒にA自身も行く事になってしまったため、「物騒だな」と思いつつ、話し合いが終わるのを待っていた。
「ほかに、犯人を見たという方は、いないんですか？？」
Aはこのお話の結末はどうだったかなと考えを巡らせる。

「お嬢様の悲鳴を聞いてみんなが駆けつけた時にはすでに、犯人は、もう……」

(たしか、これは誘拐事件ではなく、娘さんの――)

「フムフム……」

Aは、「たしかここで……」と小声で呟き、小五郎のあとに発言するであろう、コナンに目を向けた。

「なるほどね！！ ……では、そのときのようすを少し詳しく……」

(やっぱり……私の記憶は当たってる……これは、原作のお話……)

コナンが執事に聞いていたのを、小五郎が驚き、蘭に注意をする、と思っていれば、まさにその通り。目の前の蘭は小五郎に注意されていた。

それからというもの、結局この日の事件は、誘拐事件ではなく、ただ、娘さんの不満を解消したという、平和なものだった。

事件が終わり、さあ帰るぞと小五郎がコナンに軽く叱る状況を見ながら、Aは、

「……よかった、私は、口を出してはいけないのだから……」と小さく独り言をはいた。