【名探偵コナン】交通事故で死んだらあの世界に転生して立派な大学生！？ (ページ29)

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file2.数年がたち学生となった彼女の挑戦 ver.13 ページ29

推しと一言でも会話をしたいという思いに駆られたAは梓さんが言い終わるのを遮るように大きめの声で、「はじめまして。今日からこのポアロでお世話になるAAです」早口でまくし立てた。もちろん、「よろしくお願いします」という言葉も付け加えて。

「なるほど、そうだったんですね……」
「はいっ！！安室さん、これからお世話になりますっ！！」

(推しを目の前でみれて、こんなに幸せなことはない)

推しが目の前にいて、自分と会話をしているということが嬉しい反面、Aの心境はとても複雑化している。なぜなら、AAには、前世の「宮橋朱莉」としての記憶が関係しているためである。

「名探偵コナン」を原作とした漫画と、アニメ、映画、オンラインイベントに過言ではないくらいのめり込んだのだ。それゆえに、この作品の最後の結末も知っているため、ある意味、

「秘密」を持っていると言ってもよい。

そして、それを目の前で挨拶を交わした「安室透」にさえも、知られるわけにはいかないのだ。確実に怪しまれ、かえってよいほうにも悪いほうにも利用されかねないため。
(彼は公安警察であり、そして、黒の組織に所属するスパイでもある。その名は、バーボン。気を付けなければ)
「気を付けないと……慎重に……」と小声でぼやきつつ、気を引き締めるも、彼は、Aが予想していたように、やはり、にこりと笑顔で、よろしくお願いしますと言ったのだ。

朱莉(あかり)としての人生を送っていた時に見れば発狂するくらい嬉しくなっただろうなと思いつつ、安室自体を笑顔で見ていた視線を梓に移すと、不機嫌な顔でAを見ていた。

「Aさんー……どうして遮ったんですかあ！！私がいいたかったのにー！！」
梓は、子供のように駄々をこねて、悲しい気持ちをAにぶつけてくるものだから、泣かせてしまったと思い、「わあ！！ご、ごめんなさい！！」と謝れば、「わあ！！……じゃ、ないですっ……」と怒ったので内心どうすれば機嫌を直してくれるのかを考え込んでいた。

「……もう。……くっ……ふふっ！！」
(え……？？笑った？？え、この人ツボ浅い？？これで笑わないのは、おかしいのか？？ )