【名探偵コナン】交通事故で死んだらあの世界に転生して立派な大学生！？ (ページ27)

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file2.数年がたち学生となった彼女の挑戦 ver.11 ページ27

覚えるのが遅いから、用意しているメモ用紙を持ってひたすらに仕事内容、手順を必死にメモに書き起こすこと数時間。

仕事がひと段落してから、交わしたのはお酒の話題で。梓が、「Aはまだお酒飲めないでしょ？？せっかくお酒トークしようと思ったのに残念だなあ」と言ったので、すかさず否定しようとAは口を開いた。

「あ、えっと、私20歳なんですけど……」
「え、あれそうなんだ、てっきりまだ未成年かと思ってたから、びっくりした」
「え、わ、私、そんな若く見えます？？」
「見える見えるよ、まだ大学生なんでしょ？？いまのうちにいろいろやっといたほうがいいからさあ、ね？？ Aちゃんって呼んでもいい？？」
「え、あ、えっと、か、かまいませんよ、私は何と呼べば……？？」

そう聞けば、梓は「梓さん」って呼んでくれると嬉しいなと言って、Aに笑いかける。このことがきっかけでAと歳が近いことがわかってからというもの、名前で呼びあう仲となったのである。

「そういえば梓さん、私以外にここでアルバイトをしている人いるんですか？？」
仕事が一段落して、暇になった私は彼女へと聞いた。
「いますよー。名前は安室さんと言うんです～。」
「安室さん……っていうんですねー、そ、そうなんですねー」

(え、安室さん？……へえ……、この段階からポアロで……。組織への潜入が、もう……)
その名前を聞いてわずかながら当てはまる人を思い浮かべたAは、もう皆さんお分かりであろう。ふふっ、原作を読みに読み込んでいたから、これくらい楽勝楽勝と楽観していれば、「ふふっ」という変な声が出てしまったAの表情はよほど変だったのだろう、梓さんに笑いながら心配された。

「す、すみません！！私は大丈夫ですっ」
「もう、ビックリしたよ、そんな顔をしちゃって」
そういう彼女がとてもかわいらしい笑顔でにA笑いかけたのをみて、ああ、この笑顔だと男性客が多そうだなと感じるとともに、推しの安室さんのことくらいお見通しだから何があっても何も不安なことはないといいたいところだ。

万が一ここに来たら、いったいこのA自身はどうなってしまうのかと不安に襲われているのを隠しながら

「あ、ははは……そんな顔、してましたか……。すいませんね……梓さん……」苦笑したような表情を浮かべて言えば、

「いえいえ。いいんですいいんです、気にしないでくださいよ、Aちゃん」