【名探偵コナン】交通事故で死んだらあの世界に転生して立派な大学生！？(加筆・修正中) (ページ25)

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file2.数年がたち学生となった彼女の挑戦 ver.9　※ ページ25

「……なんでお母さまが泣いているのかよくわからないけど、Aね、おかあ、さま……っが、痛い痛いって言ってる、悲しい……。い、いやだあ……Aの、おかあ、さまあ……痛いの、やだあ……！！」
涙があふれて止まらないのは、、謎のモノクロでの追体験の感情も後押しするせいでもある。

「……、おかあ、さま……」
(お母さま……助けられなくてごめんなさい)
胸が痛んだAはひたすらに泣きじゃくるも、演技なのか、素なのかがよくわからなくなってしまっていた。

「ここにいるの嫌だ、帰る、帰りたい……」と言った。
「うん、帰ろう、Aちゃん……。」
結局おすそわけとして持って行ったお菓子は自分と優作と有希子の三人で食べたのだった。

(……お母さま……生きて……)
しんみりとした気分を切り替えるべく、足早に走りだし玄関を開け、外に駆け出して、「……あのモノクロはもう、しんどい……」と独り言を言いながらアルバイト先へと足早に歩き出した。

ポアロの入り口付近のドアの前に立ち軽く深呼吸をして、「ああ、緊張する……」とつぶやいてから、また深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。よし、入ろうと覚悟を決めると、店内に入ったAを見た可愛らしい女性定員が、笑顔で応対するべく、ドア付近までやってきたのだった。

「いらっしゃいませ。お一人様でしょうか？？」
答えようと口を開いた瞬間、何て言おうかと不安になったAの口から飛び出たのは、「えっと、その、あの、あのですね……」
「はい……」

意味のない言葉が出た理由としては事情を話そうとして、うまく話せたことが今までほとんどないからだ。パニックになることが多く、えっと、あのー、などのいらない言葉を多用してしまうことが理由に挙げられたるためである。

しどろもどろになりそんな一向に反応を示さない自分に内心イライラしているのだろうと、思いつつ、話し出すまで待っているという事実に胸が温かくなった。お客さんが来ていないこともあってのことだろうが、この親切心が本当にうれしかったのだ。

「あの、お客様？？ ……よろしければ、中にどうぞ」
ついにしびれを切らしたのだろう、定員さんは怪訝そうに聞いた。
「すみません、すこし緊張してしまって……。あの私面接に来たAというものなのですが」と言えば、「ああ、面接の方ですね？少々お待ちください」と言ってバックヤードへと消えていった。

その姿はどこかしら楽しげに見えた。