【名探偵コナン】交通事故で死んだらあの世界に転生して立派な大学生！？(加筆・修正中) (ページ17)

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file2.数年がたち学生となった彼女の挑戦 ver.1 ページ17

転生してからというもの、あれやこれやと時間がすぎ、大学生となった４月。気がつけば３月よりは少し暖かみを感じる季節になっていた。

「春だなあ」

外の暖かな陽気に包まれていたからか、無意識にそう言いながら、大学からの帰り道をゆっくりとした速度で歩いていた。

「このあと授業ないし、今日は一人でスタフォにレッツラゴー！！」
気持ちが浮きたっていたのか、ルンルンという鼻歌を歌いながら、スターフォックスという飲食店に向かうのだった。

この女性の名前はAA。

漫画、アニメそして多数のメディアミックスとして存在していた「名探偵コナン」という作品が好きでよくグッズや単行本、小説を買って考察の動画を見て楽しんでいた、しがない「公務員」だったが、不慮のバスと自家用車との追突事故で命を絶ったはずだった。

しかし、原因はわからないがこの世界で生きることになった不思議な女性である。

正式に、市役所、否、役場にて工藤夫妻とともに手続きを完了させた工藤家の養子となり、苗字は変えずAとして生活できていて、なおかつ義務教育機関である9年間、青森県の学校で寮生活をさせてくれたことは、工藤夫妻の理解があったからこそ。

なかでも、新一が3歳、A自身が6歳の時、養子とか関係なく姉と呼んでくれたものだから、彼らが家族の一員として認めていることを実感し、心の底で歓喜したことは忘れられない。

新一が保育園か幼稚園どちらかで関わりを持ち始めた毛利(もうり)蘭(らん)という女の子とこのときから親しくなったことで、本当に原作の世界に転生したのかと感極まり泣いた自分を、有希子だけではなく、蘭の母親でもある妃(きさき)英理(えり)さんにも心配させてしまって、迷惑をかけたそれも、Aにとって強烈な記憶となって自らの頭にとどまっている。

だた、家族のなかでは笑い話になっているそれを、Aの誕生日に雄弁と語られることだけは大の嫌いなのだが。

彼女の理想的な大学生活が始まってから、楽しみにしていたことがある。
「今日か、……ポアロのバイト……、いよいよだな」
3階まであるビルにある毛利探偵事務所の一階にて構えて営業している、喫茶店ポアロ。そのアルバイトの面接日なのである。