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いたい。
くるしい。
どうしてこんなことするの？
「おとう、さ…」
おとうさん、とてもおこってる。
こわい。
こわいよ。
おかあさん、
どうしてこっちをみてくれないの？
どうしてむしするの？
いっぱいだいすきなのに。
まえみたいにぎゅーってしてほしいよ。
いいこにするから。
おうちのピンポンがなった。
おとうさんもぶつのをやめてくれた。
たすけて。
「…どう…だん…す。」
ドアのむこうからだれかがさけぶのがきこえる。
おねがい、たすけて。
だれかがおうちのなかにむりやりはいってくる。
そこでわたしはねむってしまった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿…
あれ…ここどこだろ…
おきてみたらちがうばしょにいる。
ふかふかのおふとんのなか。
ちゃんとしたおふとんにねたのは
いつぶりだっけ…
ねおきでぼーっとしてると
やさしそうなおばちゃんがこっちにきた。
「Aちゃん、起きたのね、おはよう。」
おばちゃんはにこっとわらって
わたしのまえにしゃがんでくれた。
やわらかいかんじのするひとだけど
やっぱりおとなはまだこわい。
わたしがだまってるとおばちゃんがしゃべりだす。
「無理に喋ろうとしなくても大丈夫。あなたのペースでいいのよ。
私は、ここ、児童養護施設ひまわりのともで職員をしてる大橋百合子って言います。」
よろしくね、といいながらゆりこさんは
おててをわたしにさしだした。
おとなにさわるのはやっぱりこわくて
あくしゅするかわりにわたしは、
「おかあさんは？どこにいったの？」
そういうと
ゆりこさんはわたしがいったことばにびっくりして
ちっちゃく え といったけれど
こまったような、でもしんけんなかおでこういった。
「Aちゃんはもう…」
“お母さんには会えないの”
え
どうして
「Aちゃんはこれから大人になるまで
ここで暮らすのよ。」
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作者名：森 らんげる。 | 作成日時：2019年2月9日 17時
