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第14話 過去編 ページ18

母の楽しそうな声 やけに耳に響く自分の心臓

部屋のはしに無造作に置かれた赤に染められた布、隠されていた者は銀色の髪の持ち主なのか
布に隠しきれていない銀色が大好きなあの人を連像させる

近くには真ん中で折れたあの人愛用の自分の刀

「あ、どっちがいい〜?ドリルから〜?それともメス〜?」

あわよくば、先にいって待っているだろうお兄ちゃんにあえますように
自分だけ生きてるなんて嫌だから

「ん〜、じゃドリルにしましょ♪」

あー、お母さんに愛してるって言われたこと無かったな

近づく死に備え、瞼を閉じた

###############

「あっれ〜?生きてるよね〜でも姿は変わんないな〜」

帰ってた五感 聞きたくもない声

あぁ生きてる

思ったのはそれだけだった
頭は激しい痛みと熱に教われあまり働かない
そんなミカエラを置いて首をかしげならデスクに向かう母の姿

その瞬間緩んでいた紐から脱出して嫌な臭いを発する物体の、近くにあった短くなった刀を
掴み勢いよく部屋からでた

階段をダッシュで上がり残っていた刀を掴み工場から駆け出す

「未完成〜失敗作〜アハハハハ!」

後ろで聞こえた愉快そうな笑い声からただただ逃げることを考えてひた走った

「ハァ..ハァ..」

月の光をたよりに村を抜け山を越え海岸にたおれこんだ、額から流れ出る赤くドロッとした感覚を消したくて
体を海になげうった

どんどん沈んで行く体
だが全く苦しくなくて、不快感も感じなくて...
目を開けて飛び込んできたのは、揺らめく水に翻弄される恐らく額から流れ出ている赤
そんななか星が見えて...その星に折れた刀が進んでいく

軽いから浮かんでいっているだけであろう折れた刀と、未だ鞘に収まっている刀
それが何故かお兄ちゃんに見えて...


離れていってしまう


手を伸ばすけど沈んで行く体は刀(兄)からどんどん離れていく
丸い雫が浮かんでいく、両目から出ていってしまう



嫌だ、置いてかないで....独りにしないで
なんで..なんで息ができるの?何で生きてるの?何で死ねないの?

そんな言葉が雫と共に溢れ出す


もう、いいや...


そんな思考と共に眠気がおそってきだした


「独りに...しないでよ..」


最後に見えたのは、うっすらと波にボヤける正義の文字と、必死に泳いでくる男の人だった

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雪華 - こちらこそすいませんでした。最新頑張って下さいね。 (2018年10月16日 16時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
アルリカ - ご免なさい、自分そう言うの書けなくて (2018年10月16日 10時) (レス) id: c68b163240 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - お願いあるんだけど良いですかな?ワンピース×ゲゲゲ鬼の鬼太郎のトイレの花子さんとの恋愛短編集を作ってよろしいですか?花子さんが麦わら一味で設定で。ゲゲゲ鬼太郎のトイレの花子さんが知らないなら検索してね。 (2018年10月16日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜瑠璃嘩 | 作成日時:2018年10月15日 20時

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