希望の声 (ページ1)

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否定ページ1

ずっと、否定されてきた。

『あんたなんか要らない』

『お前は何も出来ない』

ずっと、そう言われてきた。

そんな中で、満ち溢れる自信など生まれる訳もなく。

「今日も今日とて、卑屈に生きてますよ」

別に、表だっていじめられた訳じゃない。

『死にたい』と思った訳でもない。

ただ、遠くから悪口を言われた。

ただ、指を指して笑われた。

それが。

それだけのことが、すごく嫌だった。

耳を塞いでも聴こえてくる。

目を閉じても瞼の裏に浮かぶ。

それが嫌で。

ただただ嫌で。

だから、願ってみたんだ。

『俺の聴覚を、全て奪ってください』

『こんな俺なんかより、聴きたいと思ってる人に授けてください』

後半のは別に本心じゃないし、そもそも本気で願った訳じゃない。

その後の一日は特に何もなかった。

俺自身も、それを忘れてぐっすりと眠った。

次の日。

その朝は、やけに静かだった。